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会社の節税は“いい節税”から始めよう!失敗しない正しい節税の考え方を解説

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節税は経営者にとって大きな関心事ですが、「節税=支出を増やす」ことではありません。
むしろ、会社のキャッシュフローと経営の安定性を両立させるための“戦略”が「いい節税」になります。

反対に、「とりあえず経費を増やす」といった安易な節税は、翌期の資金ショートや税務調査のリスクを高める「悪い節税」に転じかねません。

そこで、本記事では、税理士が実務の現場で重視している「いい節税」と「悪い節税」の違いを整理し、すぐに実践できる節税策や長期的に安定経営に繋がる節税策の考え方を解説します。

 

 

Table of Contents

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1.会社の節税は「いい節税」と「悪い節税」に分かれる

まずは「何が良くて、何が危ないのか」を明確化します。節税対策を行う場合には税務調査に耐えうる内容であることが肝心です。

 

(1) いい節税とは?

「いい節税」とは、次のような「経営を安定させる合法的な節税」を指します。

✓法令・通達の根拠があり会計処理が明確

✓キャッシュフローが悪化しない

✓会社の将来(退職金・承継・投資)につながる

 

(2) 悪い節税とは?

一方で「悪い節税」とは、次のような「将来にツケが回る“やり過ぎ節税”」を指します。

✓税金を減らすことだけを目的とした”単なる浪費(無駄使い)”

✓実態のない取引や、過度な在庫、過度な保険活用

✓翌期の利益を圧迫し、資金ショートを招きような資金流出

 

(3) 税務署が注目する「危険な節税スキーム」の例

税務署は過度な節税に対して厳しい目でチェックしてきます。ここでは、税務署が注目する「危険な節税スキーム」の例を確認します。

✓実質的に個人的な支出(私的な経費)の計上

✓形式だけの役員報酬の改定や退職金の支払い

✓実態の乏しい外注費の水増し

✓無理な保険の損金化(逆ハーフタックス)

 

(4) 節税の目的を「会社を守る」に変える

節税の目的を「税金を減らす」から「会社を守る」に変えることをお勧めします。例えば、「節税」を「コスト最適化+資金の安全配分」と捉え直すと、判断を誤ることがなくなります。

 

(5)「いい節税」と「悪い節税」の比較表

<比較表(いい節税/悪い節税)>

観点 いい節税 悪い節税
根拠 法令・通達に基づく 解釈ねじ曲げ・根拠薄弱
会計処理 証憑・契約が整う 曖昧・説明困難
キャッシュ 将来CFにプラス 翌期に反動・資金難
目的 経営の安定・投資 目先の税額だけ

 

 

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2.いい節税になるための5つの判断基準

基本的に以下の5つの判断基準を満たすことができれば、「いい節税」に分類することができます。

 

(1) 会計処理の根拠となる領収書・契約書等が不備なく揃うこと

節税の基本は「形式の整備」にあります。
支出の正当性を証明するためには、領収書だけでなく契約書・稟議書・支払い証跡をセットで保管しておくことが重要です。
「誰に・何を・いくらで・いつ支払ったか」を整理して、外部の第三者に説明できるようにしておくことが必要です。

 

(2) 将来の資金繰りに悪影響を与えないこと

節税のために支出を前倒ししすぎると、翌期の資金繰りを圧迫します。
基本的に支出を伴う節税対策は、「節税額<支出額」の形になるため、会社のキャッシュは減少します。
そのため、節税を検討する際は、翌期の利益・キャッシュフローへの反動を必ずシミュレーションすることが欠かせません。

 

(3) 社長個人のメリットよりも会社の安定を優先すること

「いい節税」は、個人よりも会社全体の利益に貢献するものです。
例えば、社長の保険加入や車両購入よりも、従業員の福利厚生や設備投資の方が長期的なリターンを生みやすいです。
できるだけ、「個人最適」ではなく「組織最適」を基準に判断することが重要です。

 

(4) 法令・通達の根拠があること

節税情報はネットやSNSでも氾濫していますが、法的根拠のない節税は当然に税務リスクが存在します。
必ず「法人税法」「通達」「質疑応答事例」「国税庁サイト」などの一次情報を参照し、税務上のリスクがある場合には、どういったリスクが存在するのか理解した上で取り組むことが重要です。

 

(5) 税務署に堂々と説明できる内容であること

最後の基準は、税務調査の現場で堂々と説明できるかどうかです。
もし説明に困る節税対策であれば、それは「悪い節税」の可能性が高いと言えます。
税務署に対して、説明責任を果たせるかを、常に節税判断の軸に据えることが重要です。

 

 

3.中小企業ですぐに実践できる「いい節税」10選

ここでは、今日すぐにでも検討できる「いい節税」を10個確認します。これらのうち、中小企業各社の実情に応じて、使いやすいものを組み合わせて実行します。

 

なお、その他の節税対策については、以下の弊所記事をご覧ください。

会社の節税対策を解説!税理士が教える4分類×リストで完全網羅!

 

(1) 役員報酬の見直し

✓年一回の定期同額給与の適切な改定

✓事前確定届出給与で役員賞与を費用計上

✓事業計画と連動させ、利益コントロールの軸に

 

(2) 決算賞与の活用(支給要件を満たすタイミングが鍵)

✓決算前の支給決議・従業員周知・支給の事実がポイント 

✓一時的な利益圧縮ではなく、人材定着にも効果

※ 未払賞与は原則、税務上の費用になりませんが、一定の要件(支給額の通知、期末1ヶ月以内の支払い、損金経理)を満たす「未払賞与」については、損金算入が認められます。

 

(3) 経営セーフティ共済(掛金全額損金+資金繰り対策)

✓取引先倒産リスクへの備え。解約手当金の時期も設計に織り込む

✓解約や再加入に関する最新の取扱いは要チェック

 

経営セーフティ共済への加入による節税については、以下の弊所記事もご参照ください。

節税に使える経営セーフティ共済(倒産防止共済)を徹底解説!

 

(4) 小規模企業共済(社長個人で退職金をつくる節税)

✓掛金は個人の所得控除

✓将来の退職金原資を個人で計画的に積み立て

✓役員報酬の増額にあわせて個人で小規模企業共済に加入することで個人の所得税と住民税の増加を抑制できる

 

(5) 生命保険・逓増定期の活用(税務リスクを避ける設計)

✓保障目的を明確化

✓過度な損金偏重は避け、出口まで設計

 

(6) 少額減価償却資産の即時償却

✓30万円未満の資産購入は累計300万円までは一時の費用に計上

✓償却資産税の対象となる点には注意が必要

 

(7) 貸倒引当金・貸倒損失の活用

✓税務上の要件を満たす形で貸倒引当金を計上

✓税務上、貸倒損失が計上できる場面は限定的であるため注意が必要

 

(8) 福利厚生費(社内イベント・健康診断等)の計上ルール

✓忘年会などの社内イベントや健康診断費用について税務上の要件を満たす形で福利厚生費に計上

✓原則、全従業員を対象として、社会通念上相当な範囲で設計

 

(9) リースと購入の比較検討 ― キャッシュフロー重視の節税

✓リースは費用平準化、購入は資産計上+減価償却

✓事業計画・金利・利用期間で最適化

 

<「リース vs 購入」の比較表>

ポイント リース 購入
初期負担
月次負担 一定 減価償却+利息等
節税タイミング 均等(期間按分) 初期~耐用年数で変動
柔軟性 高(途中入替しやすい) 中(売却・廃棄コスト)

 

(10) 消耗品・修繕費の計上タイミングで利益調整

✓修繕費と資本的支出の区分に注意

✓証拠書類で実態を固める

 

 

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4.節税をやり過ぎた場合に起こる3つの落とし穴

節税は「やらないリスク」だけでなく、「やりすぎるリスク」も存在します。
短期的な税負担の軽減ばかりを追求すると、かえって会社の財務基盤が崩れることもあります。

 

(1) 翌期の利益圧迫による資金ショート

節税目的で決算前に経費を増やしすぎると、翌期に反動減が起こり、利益と資金繰りが急激に悪化します。「今期の節税が来期の赤字を生む」という典型的な失敗になる可能性があるため、資金繰り表やキャッシュフロー計画と連動して検討することが必須です。

 

(2) 税務調査で否認される

証憑や実態の裏付けが弱い支出は、税務調査で否認されるリスクがあります。とくに「個人的支出」「曖昧な契約」「形だけの取引」は厳しく指摘されます。
節税を実行する際には、第三者に見られても正当と認められる記録を残すことが鉄則です。

 

(3) 節税が目的化して経営判断を誤る

節税はあくまで「手段」であり、「目的」ではありません。
税金を減らすことに気を取られすぎると、本業への投資や成長のチャンスを逃します。
「節税=コストの最適化」と捉え、利益を最大化するための経営判断に軸足を戻すことが大切です。

 

 

5.長期視点で考える「いい節税」

節税の本質は、「今期の税金を減らすこと」ではなく、「未来に備えること」です。
1年単位の節税だけを繰り返しても、会社の資産形成や承継にはつながりません。
PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー計算書)を通じて中期的に最適化する節税が、真の「いい節税」です。

 

「いい節税」と「悪い節税」の考え方については、以下の記事もご覧ください。

会社の節税は“いい節税”から始めよう!失敗しない正しい節税の考え方を解説!

 

(1) 退職金・役員退任時を見据えた節税計画

役員退職金は最大の節税チャンスですが、同時に最も誤解されやすい制度です。
功績倍率・最終報酬・在任期間の整合性を取りながら、退任時の支給設計を早期に進めることが重要です。
退職金制度の整備は、承継・相続にも直結する中小企業にとっては非常に重要な経営課題です。

 

役員退職金の概要については、以下の弊所記事もご参照ください。

役員退職給与の基礎知識を解説!(計算方法、損金算入、分掌変更)

 

 

(2) 資産管理会社を使った承継型節税

会社の内部留保が増えたら、法人を活用して資産を管理する方法も有効です。
法人・個人間の資産配分を最適化し、相続税・所得税・法人税をトータルで設計することで、「合法的な長期節税」が可能となります。

 

(3) 会社と個人の資金バランスを最適化する

役員貸付金・借入金の整理、社宅制度や旅費制度(日当)の導入など、会社と個人の資金関係を整えることで、無駄な納税やトラブルを防止することができます。
特に社宅制度は、節税効果と福利厚生効果の両面を兼ね備えた「いい節税」の代表例です。

 

 

6.節税を実践するための手順

節税は「思いつき」ではなく、「計画的な実行プロセス」が大切です。
特に決算の2〜3か月前から逆算して動くことで、選択肢が広がり、税務リスクも最小化することができます。

 

(1) 利益予測と節税対策表の作成

まずは月次試算表を基に通期利益を予測し、節税メニューとその効果・コスト・実施時期を一覧化します。
「どの節税策が、いくらの税効果を生むか」を見える化しておくと、優先順位が明確になります。

 

(2) 税理士と相談しながら「合法的節税」を選定

節税の有効性は、条文や通達の要件に基づくかどうかで決まります。
また、契約や保険、資産の処分などは出口(解約・売却・退任時)まで設計することが重要です。「入り口だけでなく出口まで確認」が、プロの節税の基本です。

 

(3) 証憑書類の整備・税務リスクの確認

契約書・請求書・社内稟議・支払い証跡などをセットで保管します。
特に税務調査では「実態の裏付け」が重視されるため、書面・データ・記録(議事録など)の3点を整備しておきましょう。

 

(4) 節税後の資金繰り・利益計画をチェック

節税実施後の資金繰り表を再作成し、翌期以降の反動や節税対策の更新費用などを織り込みます。
節税対策が「短期的な数字合わせ」に終わらないよう、中期経営計画とリンクさせることが成功の鍵となります。

 

 

7.中小企業の成功事例3選

中小企業における節税対策の成功事例を3つ紹介します。

 

(1) 小売業A社

✓経営セーフティ共済(倒産防止共済)

✓役員報酬の調整

毎期、経営セーフティ共済に掛金を拠出し積立しておき、店舗改修によりCFが厳しい局面で経営セーフティ共済を解約し、安定した経営を実現しています。また、役員報酬は計画的に見直し、長期間にわたって利益の平準化に成功しています。

 

(2) 製造業B社

✓決算賞与

✓リース活用でキャッシュ温存

従業員に決算賞与を支払うことで節税しながら人材の定着も図っています。また、設備投資を購入からリースに切り替えることで初期負担を抑え、温存したキャッシュを広告や営業に回しています。

 

(3) 建設業

✓小規模企業共済

✓生命保険

小規模企業共済の活用により社長個人で老後資金を確保し、また、生命保険の活用により法人で支払う退職金の原資づくりを前倒しで行います。

 

 

8.まとめ

以上、今回は税理士が実務の現場で重視している「いい節税」と「悪い節税」の違いを整理し、すぐに実践できる節税策や長期的に安定経営に繋がる節税策の考え方を解説させていただきました。

 

節税とは単に税金を減らすための支出ではなく、会社の資金を守りながら経営を安定させるための戦略です。

「いい節税」とは、法令や通達に根拠があり、会計処理が明確で、キャッシュフローを悪化させないものを指します。これに対し、目先の税負担を減らすことだけを目的にした「悪い節税」は、翌期の資金ショートや税務否認など、将来的に会社を苦しめるリスクを伴います。

 

節税の判断基準は、形式や証憑が整っているか、資金繰りへの影響を考慮しているか、そして税務署に堂々と説明できる内容かどうかです。実践にあたっては、役員報酬の見直しや決算賞与、共済制度の活用、少額減価償却資産の即時償却、福利厚生費の適正計上など、日常業務の中で取り組める方法が多く存在します。

 

重要なのは、これらを単発的に行うのではなく、中期的なPL・BS・CFの観点から最適化し、退職金制度や資産管理会社の活用など「未来につながる節税」に昇華させることです。また、節税は決算間際に思いつきで行うのではなく、決算の2~3か月前から利益予測と資金計画を立て、税理士と相談しながら出口まで設計することが成功の鍵となります。節税を経営の一部として戦略的に位置づけることで、会社の利益と資金を守り、持続的な成長につなげることができるのです。

 

「江東区・中央区(日本橋)・千葉県(船橋)」を拠点とする保田会計グループでは、国税OBの経験を活かして実践しやすい節税対策をご提案しております。ご興味等ございましたら、お気軽にご連絡ください。

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