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会社設立で節税できる?個人事業主との違いや注意点を解説

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「会社設立をすると節税できるのか知りたい」

「個人事業主のまま続ける場合と、会社を設立する場合でどちらが得なのか分からない」

事業が軌道に乗り、利益が出るようになると、取引先や周囲から「そろそろ法人にしたら」と言われる機会が増えてきます。

会社を設立すると、役員報酬の設定や給与所得控除・旅費規程・役員退職金などを活用することで、税負担が下がる場合があります。

一方で、会社を設立すれば必ず税負担が軽くなるわけではありません。法人になると、社会保険料・法人住民税の均等割・会計処理の手間・税理士報酬なども発生します。

この記事では、東京の税理士事務所である当事務所が、会社設立のご相談でよくお伝えしている内容をまとめました。

個人事業主との税金の仕組みの違い・節税につながるポイント・設立前に確認すべきこと・注意点の順に解説します。

会社設立と節税について、先に相談したい方へ

保田会計事務所では、初回相談を無料で承っています。「個人事業主のままか、法人化すべきか」の判断には、税金だけでなく、社会保険料・法人の維持費まで含めた試算が必要です。数字を見ながらご一緒に検討しましょう。

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会社設立による節税とは?

会社設立による節税を考えるには、まず個人事業主と法人で税金のかかり方がどう変わるのかを確認する必要があります。

個人事業主と会社では税金の仕組みが異なる

個人事業主と会社では、そもそも税金のかかり方が違います。

個人事業主の場合は、売上から必要経費を差し引いた所得に対して、所得税や住民税がかかります。法定業種に該当し、一定の所得がある場合には個人事業税もかかります。所得税は所得が大きくなるほど税率が上がる累進課税なので、利益が伸びるほど所得税率も高くなります。

一方、会社を設立した場合は、会社の利益に対して法人税等(法人税・地方法人税・防衛特別法人税・法人住民税・法人事業税など)がかかります。代表者は会社から役員報酬を受け取る形になり、役員個人には給与所得として所得税や住民税がかかります。

中小法人等には、一定の要件のもとで所得のうち年800万円以下の部分に15%の法人税率が適用されます。2025年4月1日以後に開始する事業年度で所得金額が年10億円を超える場合は、この部分の税率は17%です。

ただし、15%・17%は法人税そのものの税率であり、地方法人税・法人住民税・法人事業税などを含めた会社全体の税負担を示すものではありません。

また、2026年4月1日以後に開始する事業年度からは防衛特別法人税が導入されています。基準法人税額から年500万円を控除した金額に4%の税率を乗じて計算するため、小規模な法人では税額が生じない場合もありますが、対象法人は税額が0円でも申告が必要です。

つまり、利益が大きく出ている個人事業主が会社を設立し、役員報酬を適切に設定すると、会社と個人で税負担を分散できる場合があります。

ただし、役員報酬の金額によって、会社側の税金だけでなく、代表者個人の税金・社会保険料も変わります。会社設立による節税を検討するときは、法人と個人の両方を合わせて確認する必要があります。

会社を設立すれば必ず節税できるわけではない

会社を設立すれば、必ず節税できるわけではありません。

法人になると、法人税等のほかに、社会保険料・法人住民税の均等割・税理士報酬・会計ソフトの利用料・登記や各種手続きに関する費用などが発生します。

とくに社会保険料は、会社と役員個人の双方で負担するため、金額のインパクトが大きくなりがちです。税金が下がっても、社会保険料や会社の維持費が増えることで、手元に残るお金がかえって少なくなるケースもあります。

会社設立を判断するときの基準になるのは、「税金がいくら減るか」ではなく「最終的に手元にいくら残るか」です。社会保険料・法人の維持費・手元資金・今後の売上見込みまで含めて比較することが重要です。

設立を決める前に、手元に残るお金を比べませんか

手元に残る金額は、利益の水準・役員報酬の設定・家族構成によって大きく変わります。保田会計事務所では、個人事業主のまま続けた場合と法人化した場合を、税金・社会保険料・維持費まで含めて比較した試算をお作りしています。設立を決める前の段階でご相談ください。

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会社設立で節税につながる主なポイント

会社を設立すると、個人事業主にはない給与・旅費・退職金などの仕組みを利用できるようになります。ここでは、節税につながる主なポイントと、それぞれの注意点を確認します。

役員報酬で会社と個人の所得を分けられる

個人事業主の場合、事業で生じた利益を事業用口座に残していても、その利益は原則として個人の事業所得として課税の対象になります。

会社を設立すると、事業で得た利益を「会社に残すお金」と「役員報酬として個人が受け取るお金」に分けられます。定期同額給与などの要件を満たす役員給与は会社の損金に算入できるため、その分だけ会社側の所得を抑えられます。

ただし、役員報酬を高くすればよいというものではありません。役員報酬を上げると、代表者個人の所得税・住民税と社会保険料が増えます。逆に低くしすぎると、会社に利益が残って法人税等の負担が増え、代表者の生活費も足りなくなります。

役員報酬は、会社の法人税等だけでなく、代表者個人の所得税・住民税・社会保険料・毎月必要な生活費まで含めて設定する必要があります。

具体的な決め方は「役員報酬はいくらに設定すべき?」でも解説しています。

給与所得控除を使えるようになる

法人化を検討するときに影響が大きい項目の一つが、給与所得控除です。

個人事業主の事業所得は、売上から必要経費を差し引き、青色申告特別控除など適用できる控除があれば、それらを反映して計算します。

一方、会社から役員報酬を受け取ると、その報酬は給与所得となり、実際の支出額にかかわらず給与所得控除を差し引けます。令和8年・9年分は、給与収入190万円以下の場合の給与所得控除額が74万円です。令和10年分以後は最低保障額が69万円となります。給与収入が一定額を超える場合は、収入金額に応じた計算式で控除額が決まります。

会社側では、定期同額給与などの要件を満たす役員給与を損金に算入でき、受け取る個人側では給与所得控除を差し引けます。その結果、法人と個人を合わせた税負担が下がる場合があります。

家族への給与を検討できる

家族が会社の仕事を手伝っている場合は、給与の支払いを検討できます。

配偶者や親族が経理・事務・接客・営業などに実際に関わっているのであれば、会社から給与を支払い、会社の経費として処理することが可能です。所得を家族に分散できるため、世帯全体で見たときの税負担を抑えられる場合があります。

個人事業主にも青色事業専従者給与という制度がありますが、事前の届出に加え、原則としてその年を通じて6か月を超える期間、事業に専ら従事していることなどの要件があります。

会社の場合、家族が従業員として実際に勤務するのであれば、その仕事内容や勤務実態に応じた給与を支給できます。一方、家族を役員にする場合は役員給与として扱われ、代表者と同じく定期同額給与などのルールが関係します。

期の途中で自由に増減できるわけではないため、役員にするか従業員にするかは、仕事内容や報酬の決め方も踏まえた判断が必要です。

この論点は「【夫婦で会社設立③】配偶者(妻)は役員と従業員のどちらがいいか詳しく解説!」で詳しく扱っています。

なお、実際に働いていない家族へ給与を支払ったり、仕事内容に見合わない高額な給与を設定したりすると、税務調査で否認される可能性があります。

出張日当(旅費規程)を活用できる

法人では、代表者自身も役員として、旅費規程に基づく出張日当の支給対象にできます。

日当は、実費精算とは別に、出張1日あたりいくらという形で支給するものです。業務上の出張について通常必要と認められる範囲の旅費や日当であれば、会社側では経費として処理でき、受け取った役員や従業員の側でも所得税が非課税になります。

個人事業主は自分自身への出張日当を必要経費にできないため、この点は法人化した場合との違いの一つです。

事例のご紹介

当事務所でも、この方法でご支援した事例があります。

解決事例:旅費規程の整備で、年間200万円近くを代表者へ

清掃業/年商約5,000万円・従業員5名

  • 課題:役員報酬にかかる所得税・住民税・社会保険料の負担が重かった
  • 対応:旅費規程を導入し、出張報告書による日当申請を仕組み化(事前準備2週間)
  • 成果:年間200万円近くを代表者等に還元

建設業の取締役の方からは、「旅費交通費や手当の規程を整備し、証憑・承認・保存の運用を標準化していただいた。日当を活用した節税はもちろん、経費処理のスピードも上げることができた」というお声をいただいています。

日当の金額は、役員と従業員のバランス・会社の規模・出張の内容などに照らして、通常必要と認められる水準に設定する必要があります。旅費規程と実際の運用が一致していなかったり、実態のない出張を計上したりすると、給与として課税されるなど税務上の問題が生じる可能性があります。規程を整備するだけでなく、実際の運用と一致させることも重要です。

退職金の準備をしやすくなる

役員退職金とは、代表者や役員が会社を退くときに、会社から支給する退職金のことです。

個人事業主は、自分自身への退職金を事業の必要経費として支給することはできません。会社を設立すると、将来の引退や事業承継に向けて、役員退職金を準備できるようになります。

役員退職金は、適正な金額で支給額が具体的に確定するなどの要件を満たせば、会社側で損金に算入できます。受け取る個人側では退職所得控除が使え、原則として他の所得と分けて課税されます。ただし、役員等としての勤続年数が5年以下の期間に対応する特定役員退職手当等には、退職所得の2分の1課税が適用されません。

また、金額を自由に高く設定できるわけではありません。在任期間・会社への貢献度・会社の規模などに照らして過大と判断されると、過大な部分は損金に算入できません。

退職金を支給する際は、退職金規程の整備や株主総会の決議などの手続きを踏み、金額の根拠が残っていることも重要です。

経費として扱える範囲が広がる場合がある

会社を設立すると、個人事業主にはない支出の形を選べるようになり、結果として経費として扱える範囲が広がる場合があります。

定期同額給与などの要件を満たす役員給与・実際に勤務する家族への適正な給与・通常必要と認められる出張日当・役員社宅・福利厚生費・適正な役員退職金の支給などは、要件を満たせば会社の経費として処理できます。

たとえば役員社宅では、会社が住宅を借り上げて役員に貸し付け、税法上の賃貸料相当額を役員から受け取るなどの要件を満たすことで、会社が負担する家賃を経費として処理できます。役員から受け取る家賃が賃貸料相当額より低い場合には、差額が給与として課税されることがあります。

また、会社名義で契約するものが増えるため、事業用の支出とプライベートの支出を分けやすくなります。

ただし、会社を設立したからといって、どのような支出でも経費にできるわけではありません。経費として認められるには、事業に必要な支出であることに加え、社内規程・契約書・領収書といった根拠が必要です。

とくに、役員や家族だけが有利になる支出や、事業とのつながりを説明しにくい支出は、税務調査で指摘を受けやすい部分です。経費として処理できるかどうかに加え、あとから支出の内容を説明できる資料が残っていることも重要です。

生命保険や共済は税務上の取扱いを確認してから

経営者に万が一のことがあったときの資金や、将来の役員退職金の原資を準備する方法として、生命保険や共済が使われることがあります。

法人向けの生命保険については、令和元年6月の通達改正により、保険期間が3年以上で最高解約返戻率が50%を超える定期保険等は、原則として一定期間、支払保険料の一部を資産計上する取扱いとなっています。

ただし、最高解約返戻率が70%以下で、かつ年換算保険料相当額が1人の被保険者につき合計30万円以下である場合など、別の取扱いとなるケースもあります。「支払った保険料がそのまま全額経費になる」という前提では検討できません。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)についても、令和6年10月1日以後に共済契約を解約し、その後に再加入した場合、解約日から2年を経過する日までの間に支払う再加入後の掛金は、支出時に損金へ算入できません。

詳しくは「経営セーフティ共済の税制改正で解約後2年間は再加入しても経費にならない!」で解説しています。

商品内容や契約形態によって税務上の扱いは変わり、解約時や受取時に思わぬ税負担が生じることもあります。加入を判断する際は、目先の節税額だけでなく、資金繰りや本来の目的に合っているかも重要な確認点です。

会社設立前に確認すべきポイント

法人化の効果は、設立前の条件によって大きく変わります。

現在の利益と今後の売上見込みを確認する

会社設立を検討するときは、まず現在の利益と今後の売上見込みを確認します。

利益がまだ少ない段階で会社を設立すると、法人住民税の均等割・社会保険料・税理士報酬などの負担が増え、かえって手元に残るお金が少なくなることがあります。

見るべきなのは、今年だけ一時的に利益が増えているのか、来年以降も安定して売上が見込めるのかという点です。単発の大口案件で利益が膨らんだ年に法人化すると、翌年以降に負担だけが残ります。

個人事業主のまま続ける場合と会社設立後を比較する

会社設立の前には、個人事業主のまま続けた場合と会社を設立した場合を並べて比較することが重要です。主な確認項目は次のとおりです。

個人事業主のまま続ける場合

  • 所得税・住民税
  • 個人事業税
  • 国民健康保険料・国民年金保険料

会社を設立した場合

  • 法人税等(法人税・地方法人税・防衛特別法人税・法人住民税・法人事業税など)
  • 役員報酬にかかる所得税・住民税
  • 社会保険料(会社負担分と個人負担分)
  • 法人住民税の均等割
  • 税理士報酬・会計ソフトの利用料などの維持費

税金だけを見ると会社設立後のほうが有利に見えても、社会保険料や維持費を含めると、個人事業主のままのほうが負担を抑えられる場合があります。判断の基準は「税金がいくら減るか」ではなく「最終的に手元にいくら残るか」です。

資本金や消費税の納税義務を確認する

会社設立前に必ず確認しておきたいのが、資本金の額と消費税の取扱いです。

新たに設立された法人の設立1期目と2期目には原則として基準期間がありませんが、その事業年度開始時の資本金が1,000万円以上である新設法人などは、消費税の納税義務が免除されません。

資本金が1,000万円未満であっても、次のようなケースでは納税義務が生じます。

特定新規設立法人に該当する場合

他の者に50%超を直接・間接に保有されるなど一定の支配関係があり、その判定対象者の課税売上高が5億円を超える場合などは免除されません。

令和6年10月1日以後に開始する課税期間については、判定対象者の国外分を含む収入金額が50億円を超える場合も対象に加わっています。

特定期間の課税売上高が1,000万円を超える場合

法人では、原則として前事業年度開始の日以後6か月の期間が特定期間になります。この期間の課税売上高が1,000万円を超える場合には、次の事業年度から課税事業者となります。

国内事業者は、課税売上高に代えて特定期間中の給与等支払額で判定することもできます。なお、設立1期目が7か月以下の場合には特定期間がないケースがあります。

インボイス登録をする場合

免税事業者であっても、適格請求書発行事業者として登録すれば課税事業者になります。

あわせて、2026年8月現在は消費税の経過措置が切り替わる時期にあたります。

インボイス登録を機に課税事業者になった方が使える2割特例は、令和5年(2023年)10月1日から令和8年(2026年)9月30日までの日の属する課税期間が対象です。

要件を満たす個人事業者については令和9年・10年分に、納付税額を売上税額の3割とする「3割特例」が設けられていますが、法人は対象外です。インボイス登録を継続する法人は、要件を満たして簡易課税制度を選択する場合を除き、原則課税で申告することになります。

また、免税事業者など適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについて認められる仕入税額控除の経過措置は、2026年10月1日から控除可能割合が80%から70%へ引き下げられます。その後も段階的に見直されます。

さらに、2026年10月1日以後に開始する課税期間からは、一の適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れの合計額が、その年または事業年度で1億円を超える場合、超える部分にはこの経過措置を適用できません。

つまり、「法人化すれば設立後2期は消費税が免除されるから有利」という説明は、インボイス登録が前提となる取引では成り立ちません。取引先が課税事業者中心であれば、免税期間を優先するかどうかは慎重に考える必要があります。

資本金・設立日・1期目の事業年度は、設立前の検討が重要です

設立日は後から変更できません。資本金や事業年度は設立後に変更することもできますが、設立時点の資本金や各課税期間の状況によって行われた消費税の判定を、後から自由にやり直せるわけではありません。資本金の額・設立日・1期目の事業年度をどう設定するかは、定款を作る前にご相談ください。

会社設立の手続きそのものは、当グループの船橋会社設立サポートセンターが、設立後の税務顧問まで含めてお引き受けしています。

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青色申告など会社設立後に必要な届出を確認する

会社を設立したあとは、税務署や自治体などへ届出を行います。代表的なものは次のとおりです。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

このうち期限に注意が必要なのが、青色申告の承認申請書です。提出期限は「設立の日以後3か月を経過した日」と「設立第1期の事業年度終了の日」のいずれか早い日の前日で、1日でも過ぎると設立初年度は白色申告になります。

法人が青色申告をしているなど一定の要件を満たせば、赤字(欠損金)を10年間繰り越して、将来の黒字と相殺できます。個人事業主の純損失の繰越期間は、青色申告の場合は原則3年間です。法人のほうが繰越期間は長く設定されているため、創業期に赤字が出やすい事業では確認しておきたい制度です。

法人設立届出書の具体的な書き方は「【会社設立後の提出書類①】税務署への法人設立届の概要と書き方(記入例あり)」で解説しています。

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会社設立で節税を考えるときの注意点

会社設立には節税につながる面がある一方で、法人になることで新たに生じる負担もあります。設立後に想定外の支出が増えないよう、特に確認したい点を見ていきます。

社会保険料の負担が増える

法人化で最も負担が増えやすいのが、社会保険料です。

個人事業主の場合は、国民健康保険と国民年金に加入しているケースが一般的です。一方、会社を設立すると、代表者1人の会社であっても、原則として健康保険・厚生年金保険への加入が必要になります(役員報酬が支給されないなど、被保険者とならないケースを除きます)。

社会保険料は、会社と役員個人の双方が負担します。役員報酬を高く設定すれば、個人の所得税・住民税だけでなく、この社会保険料も増えていきます。

法人化のシミュレーションで社会保険料を計算に入れていないと、実際の手取りが想定と大きくずれます。そのため、比較する際には社会保険料も含めた試算が欠かせません。

法人住民税の均等割は赤字でも発生する

法人住民税の均等割は、会社が赤字でも納める必要があります。

金額は資本金等の額と従業者数で決まり、資本金等の額が1,000万円以下・従業者数50人以下の会社であれば、年間7万円が目安です。東京23区でも千葉県船橋市でも、この規模であれば同程度の負担になります。

個人事業主であれば、所得が少なければ所得税の負担も小さくなります。会社の場合は、利益が出ていなくても均等割に加えて、社会保険料・会計ソフトの利用料・税理士報酬といった支払いが続きます。

会社設立を検討する際は、黒字を前提としたシミュレーションだけでなく、売上が想定を下回った場合の固定費まで確認しておくと、設立後の負担をより具体的に把握できます。

会計処理の手間が増える

個人事業主の確定申告と比べると、会社の決算と法人税申告は複雑です。役員報酬・社会保険・源泉所得税・消費税・法人税・地方税と、確認する項目が増えます。会社のお金と個人のお金を明確に分けて管理する必要もあり、日々の経理も精度が求められます。

ただし、この負担は仕組みで軽くできます。当事務所では、クラウド会計の導入からご支援しています。

事例のご紹介

解決事例:月次試算表の作成が45日から15日以内に

飲食業/東京都内/年商3千万円・従業員10名

  • 課題:記帳が月末や決算期に集中し、月次試算表の完成が大幅に遅れていた
  • 対応:クラウド会計ソフトを導入して銀行口座・クレジットカードを自動連携。証憑の電子保存ルールを定め、スマホ撮影による即時アップロードを指導(現状分析1か月+導入支援2か月)
  • 成果:月次試算表の作成期間が約45日から15日以内に短縮

清掃業の代表取締役の方からは、「クラウド会計の初期設定から勘定科目の見直し、証憑の集め方まで伴走いただき、記帳時間が半分以上短縮できた。担当交代時もスムーズに引き継げた」というお声をいただいています。

役員報酬の通常の改定は原則3か月以内

役員報酬を定期同額給与として損金に算入するには、原則として事業年度開始の日から3か月以内に行う通常の改定であることなどの要件があります。新設法人でも、設立後早い段階で役員報酬を決めることが重要です。

決算前に利益が多く出そうだからという理由だけで期の途中に役員報酬を増額すると、増額した部分などが損金として認められない場合があります。

一方で、役員の職制上の地位の変更などによる臨時改定事由や、経営状況が著しく悪化したことによる業績悪化改定事由など、3か月を過ぎた後の変更が定期同額給与として認められる例外もあります。そのため、「3か月を過ぎたら一切変更できない」というわけではありません。

ただし、単に利益調整を目的として自由に増減できる制度ではありません。設立後の利益見込み・毎月の生活費・社会保険料・資金繰りを踏まえ、設立前または設立直後から金額を検討することが重要です。

役員報酬の設定は、設立後3か月以内が重要です

設立直後は事業の立ち上げで手一杯になりがちですが、通常の役員報酬の設定・改定は原則として事業年度開始から3か月以内に行うことが重要です。一定の例外はあるものの、利益に合わせて期中に自由に変更できるわけではありません。保田会計事務所では、利益見込み・資金繰りを確認しながら、無理のない役員報酬の金額をご提案しています。設立前、遅くとも設立直後にはご相談ください。

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節税だけを目的に会社設立しない

会社設立は、節税だけを理由に判断するものではありません。

法人になると、税金の仕組みが変わるだけでなく、社会保険料・法人住民税の均等割・会計処理・各種届出・維持費が発生します。事業の規模や売上見込みによっては、個人事業主のままのほうが負担を抑えられるケースもあります。

反対に、税負担が大きく変わらなくても、取引先からの信用・金融機関からの評価・採用のしやすさといった面で法人化する価値がある場合もあります。

会社設立の判断では、節税効果に加え、事業拡大・信用力・採用・資金繰り・将来の事業計画まで含めた検討が必要です。

会社設立による節税を検討したほうがよいケース

法人化の適切なタイミングは事業者ごとに異なりますが、試算を始める目安になる状況はいくつかあります。次のようなケースに当てはまる場合は、個人事業主のまま続ける場合と法人化した場合を比較してみましょう。

個人事業主としての利益が800万円前後になってきた

ここでいう利益とは、売上そのものではなく、売上から必要経費を差し引いた所得を指します。売上が2,000万円あっても、経費が1,300万円かかっていれば、利益(所得)は700万円です。

一つの目安として、個人事業主としての利益が800万円前後になってきたら、会社設立後の負担を試算する価値があります。ただし、800万円に法律上の法人化ラインがあるわけでも、すべての事業者に共通する損益分岐点があるわけでもありません。

個人の所得税が累進課税であること、中小法人等では所得のうち年800万円以下の部分に軽減税率が設けられていること、法人化後は給与所得控除を使える一方で社会保険料などの負担が増えることを合わせて比較する必要があります。

実際の分岐点は、家族構成・役員報酬・社会保険の加入状況・事業の利益水準などによって前後します。法人化のタイミングについては「法人化(会社設立)すべきタイミングとは」でも解説しています。

売上や取引先が安定している

会社を設立すると、法人住民税の均等割・社会保険料・税理士報酬といった継続的な負担が発生します。一時的に売上が増えただけで法人化すると、あとから資金繰りが苦しくなりかねません。

毎月の売上が安定している、継続契約の取引先がある、来期以降も一定の利益が見込めるといった状況であれば、設立後の費用も見通しやすくなります。

事業拡大や採用を考えている

法人であることが、取引先との契約や金融機関との取引で有利に働く場面があります。また、取引内容によっては法人との契約を条件としている相手もあります。従業員の採用・事務所の契約・設備投資などを予定している場合は、税負担だけでなく事業運営上の必要性も法人化を判断する材料になります。

創業期の資金調達についても、当事務所でご支援しています。

解決事例:創業融資の面談準備を1週間で

介護事業/船橋市/年商1千万円・従業員2名

  • 課題:創業融資を申請予定だったが、事業計画が粗く、資金用途も曖昧だった
  • 対応:事業計画テンプレートの提供、資金繰り表の整備、面談想定Q&Aの準備(事前準備2週間+面談支援1週間)
  • 成果:経営者が数字を自信をもって説明できるようになり、面談を乗り越えた

将来の退職金や事業承継も考えたい

会社にしておくと、事業を家族や後継者へ引き継ぐ際の選択肢が広がります。個人事業では事業用資産を個々に引き継ぐ必要がありますが、法人であれば株式の承継という形を取れるためです。

将来の引退時に役員退職金を支給する仕組みを準備しておけば、老後資金や引退後の生活資金の確保にもつながります。会社設立は、目先の税金だけでなく、10年、20年先の引退や承継まで含めて考える判断です。

保田会計事務所が会社設立の節税対策でサポートできること

会社設立では、法人化する時期だけでなく、役員報酬・消費税・設立後の経理まで一続きで考える必要があります。保田会計事務所では、設立前の比較から設立後の税務までご相談いただけます。

会社設立すべきタイミングを相談できる

「今すぐ会社を作るべきか」「もう少し個人事業主のまま続けるべきか」は、数字を見なければ判断できません。

当事務所では、現在の売上・利益・経費・今後の売上見込みを確認しながら、会社設立を検討するタイミングをご一緒に判断します。「利益が800万円前後になってきた」「売上は増えているが経費も多い」「来期以降も利益が安定するか不安」といった段階でも、現在の状況に合わせて確認できます。

会社設立をご支援したお客様からは、次のようなお声をいただいています。

「会社形態の選び方から資本金の額、出資者や役員を誰にするか等、会社設立の全体像を分かりやすく示していただけたので迷わず進めました。必要情報をチェックリスト化してくださり、今回は2週間で会社を設立、運用開始にまで到達しました。初期の不安が解消され、営業に集中できました」(サービス業/代表社員)

会社設立は、節税だけでなく、取引先との関係・融資・採用・将来の事業拡大にも影響します。税負担と事業の今後の両面から、設立のタイミングをご相談ください。

設立後に手元に残るお金を確認できる

会社設立で大切なのは、税金がいくら減るかではなく、最終的に手元にどのくらいお金が残るかです。

当事務所では、個人事業主のまま続ける場合と会社を設立した場合について、税金・社会保険料・法人住民税の均等割・税理士報酬・会計ソフトの利用料まで含めて比較した試算をお作りしています。

税金だけを見ると会社設立後のほうが有利に見えても、社会保険料や維持費を含めると、思ったほど手元資金が増えないケースもあります。設立前に見込みを確認しておけば、設立後の資金繰りを具体的にイメージできます。

「会社を作ると本当に得なのか分からない」「社会保険料まで含めて比較したい」という段階でご相談ください。法人化の判断で税理士に相談すべき理由は「法人化を税理士に相談すべき理由とは?判断基準・費用・注意点を解説」でも解説しています。

役員報酬や経費処理の運用を整えられる

役員報酬は、会社の利益・代表者個人の税金・社会保険料・毎月の生活費のすべてに影響します。通常の設定・改定は原則として事業年度開始から3か月以内に行うことが重要です。

当事務所では、利益見込みや資金繰りを確認しながら、無理のない役員報酬の金額をご提案しています。

「決算直前の駆け込みではなく、3か月前からシミュレーションを行い、節税と翌期の資金計画を両立できました。設備投資・人件費・役員報酬を複数シナリオで試算し、将来の投資余力を確保しながら適正な税負担に整えられました。数字に基づく説明ができるので社内合意も早く、安心感が違います」(飲食業・卸売業/代表取締役)

あわせて、会社設立後は会社のお金と個人のお金を分けて管理することも欠かせません。会社の口座からプライベートの支払いをしている、領収書の保管方法が定まっていない、役員への支払いの根拠が残っていないといった状態は、税務調査で指摘を受ける原因になります。

役員報酬の設定だけでなく、旅費規程や経費処理のルール・資料の保存方法までご相談いただけます。

会社設立後の届出と消費税の判定を確認できる

会社設立は、登記が終われば完了というわけではありません。

法人設立届出書や青色申告の承認申請書には提出期限があり、過ぎてしまうと設立初年度から青色申告を使えません。資本金の額やインボイス登録の有無によって、消費税の納税義務が生じるかどうかも変わります。

設立してから慌てて確認すると、提出期限を過ぎたり、想定していなかった納税が発生したりします。当事務所にご相談いただければ、必要な届出と提出期限・消費税の判定を設立前に確認できます。

設立後も、売上や経費の記帳・役員報酬の支払い・源泉所得税・社会保険・決算・法人税申告と、継続して行う手続きが続きます。税務調査で説明できる形に整えるところまで、あわせてご支援します。

会社設立による節税でお悩みの方は保田会計事務所へご相談ください

会社設立による節税は、個人事業主と会社の税金の仕組みの違いを理解したうえで、役員報酬・給与所得控除・経費処理・消費税・社会保険料・法人の維持費まで含めて判断するものです。

ただし、会社を設立すれば必ず節税できるわけではありません。税金だけを見て判断すると、社会保険料・法人住民税の均等割・会計処理の手間が増え、思ったより手元にお金が残らないこともあります。

当事務所の代表は東京国税局出身の国税OBで、法人税の税務調査を担当してきました。その経験を踏まえ、節税と同時に税務調査への備えを重視しています。

解決事例:追徴税額を当初提示より1千万円以上削減

建設業/船橋市/年商2億円・従業員7名

重加算税の賦課を示唆され、調査官に反論できていない状況からのご依頼でした。税務署への差入文書の作成、調査の立会い、国税OB目線での交渉により、追徴税額を当初提示された金額より1千万円以上削減し、重加算税を回避しています(調査支援10週間)。

保田会計事務所では、個人事業主のまま続ける場合と会社を設立する場合の比較・会社設立後の税金や社会保険料の確認・役員報酬や経費処理の設計・税務調査を見据えた管理体制づくりまでご支援しています。

  • 「会社設立をすると節税できるのか知りたい」
  • 「個人事業主のままか会社を設立すべきか相談したい」
  • 「役員報酬や社会保険料を含めて手元に残るお金を確認したい」
  • 「税務調査で指摘されないように会社設立後の管理を整えたい」

保田会計事務所では、このようなお悩みをお持ちの方からのご相談を承っています。初回相談は無料です。

営業時間は9:00〜20:00、定休日はありません。

江東区・東京23区のほか、千葉県船橋市周辺からのご相談も承っています。

03-6824-7701(9:00〜20:00/定休日なし) お問い合わせフォームLINEでのお問い合わせ

顧問報酬の目安は業務報酬ページに掲載しています。

会社設立の手続きについては船橋会社設立サポートセンターでも承っています。

※本記事に記載の解決事例およびお客様の声は、いずれも個別の事案に基づくものであり、同様の結果を保証するものではありません。

※本記事の内容は2026年8月時点の法令等に基づいています。税制は改正されることがあるため、実際のご判断では最新の情報を確認する必要があります。

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