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節税最終手段の航空機リース(オペレーティングリース)とは

都内と船橋を拠点とする保田会計グループでは、東証1部上場の大手リース会社と連携し、日本型オペレーティングリースの紹介制度を開始しました。

このオペレーティングリースという節税商品を使うことで、2,000万円以上の費用を簡単に計上できます。
生命保険では、なかなか1,500万円を超える利益対策は難しい現状がありますので、今の税理士さんが、利益対策・節税対策をしてくれないとお悩みの方は、ぜひ弊所までご相談ください。
あっという間に、多額の費用を作れます!!

今回は航空機リースを例に、オペレーティングリースの仕組みや節税効果、メリット、デメリット等を解説します。
なお、オペレーティングリースの主な商品としては、航空機リースだけでなく、船舶リースやコンテナリースもあります。
これらのリースの相違点や選び方については、別の機会にご説明したいと思います。

この他にも、実践的な節税対策についてご興味のある方は、以下のサイトも是非ご覧ください。
当事務所について – 保田会計事務所|税務・コンサル・会計・その他経営に関わる全てを総合的にサポート

 

節税商品としての日本型オペレーティングリースとは

節税商品としての日本型オペレーティングリースを説明するにあたって、まずは、オペレーティングリースについて確認します。

(1)オペレーティングリースとは

オペレーティングリースとは、機械装置、自動車などの物件を長期にわたって会社等に貸し出すリースの一種をいいます。リースの仕組みは、貸し手(リース会社など)が購入した物件をそのまま借り手(会社・個人など)に貸与し、契約で定めたリース期間中に、物件自体の価値に金利を上乗せして月々のリース料を徴収するというものです。

借り手にとっては、一度にまとまった資金を支払わなくても、事業拡大のために必要な機械装置等が手に入り、事業の投資効率を高められるということがメリットとしてあります。

 

(2)日本型オペレーティングリースとは

この効果を、一般の会社等にも享受してもらえるような仕組みにした節税商品が「日本型オペレーティングリース」になります。

この「日本型オペレーティングリース」は、オペレーティングリースの仕組みに、日本の商法が規定する「匿名組合」という契約形態を組み合わせることが一般的です。

具体的には、リース会社などが設立した営業者(SPC)が複数の匿名組合員(=法人投資家等)から出資を募り、その資金と銀行からの借入によって、航空機、船舶、コンテナなどの大型リース物件(=投資対象物件)を購入します。営業者はユーザー(レッシー)に投資対象物件を貸与し、リース料を受け取り、リース期間満了時には、投資対象物件を市場等で売却します。

営業者はこれらの投資対象物件から生じる損益を法人投資家に分配します。通常は投資期間の初期は収益(=リース料)に比べ、費用(=減価償却費、金利、諸経費)が大きく上回るため、損失を計上することになります。

この損失の分配を受けた法人投資家において、出資持分に応じて損失を計上することができることがこの節税商品のキモになります。

例えば、航空機リースでは、出資した初年度に80%程度、2年目に20%程度と、出資額に大して非常に大きな割合の損金を計上することができ、大きな損失計上により節税をしたい会社で広く活用されています。

 

航空機リースの主なメリット

航空機リースの主なメリットは以下の通りです。

①節税効果が非常に大きい

航空機リースは、数ある節税方法の中でもその効果が非常に大きくなります。
航空機をリース開始の初期において、損金算入効率が良いものだと、例えば、1年目で出資額の約80%特別損失として損金算入でき、さらに、2年目で残りの20%を損金算入することができます。将来資金が返還される商品でこれほど大きな損金を一度にできる商品は他にはなかなか見当たりません。

一時的に発生した利益に対する節税対策事業承継の際に自社株の株価の引き下げ対策として、この大きな損金算入は非常に魅力的です。

 

②支払いは初期の1回のみ

生命保険等を活用した節税の場合には、毎年掛け金等を支払う必要があります。

この航空機のリースは初めに一括で資金を支払うため、次年度以降のキャッシュアウトはありません
つまり、毎年掛け金を支払う生命保険等の場合には、次年度以降も利益が出るのか、キャッシュに余裕があるのかなどの不安が付きまといますが、航空機リースではこのような心配はないということです。

 

③船舶リース、コンテナリースと比較して安定している

オペレーティングリースによる節税商品は、航空機以外にも船舶リースやコンテナリースもあります。
航空機リースは、これらの商品と比較しても、収益確保や物件の売却益確保の面で安定性が高いと言われています。
これらのリースの相違点や選び方については、別の機会にご説明したいと思います。

 

航空機リースの主なデメリット

航空機リースの主なデメリットは以下の事項になります。

①中途解約ができない

航空機リースは、基本的に中途解約ができないことから、資金に余裕がある会社のための商品となります。
そのため、出資する際には、余剰資金で無理のない範囲での出資額を検討することが重要です。

 

②元本の保証なし

航空機リースは、約束された金額が必ず戻ってくるという保証はありません。
なぜなら、航空機リースに関わる会社の倒産リスクや、リース期間満了時に残存価格より少ない価格でしか売却できないリスクがあり、当初のシミュレーション通りの投資結果になるとは限らないためです。
そのため、出資する際には、どの航空会社、リース会社を選ぶか、慎重に検討することが重要です。

 

③外貨建商品が多く、円建商品が少ない

航空機リースは外貨建て商品がほとんどで、円建ての商品は存在はするものの10%程度の割合と言われています。
日本円の商品で、好条件のリース案件を探そうとすると商品が限られてしまうことから、結局、外貨建商品を購入されるケースが多いです。
外貨建商品への投資には為替リスクがあり、売却時点で購入時よりも円高になれば、たとえ高く売れても手元に入ってくるお金が想定より少なくなる可能性があります。
そのため、出資前には為替リスクを十分に検討することが重要です。

 

④あくまで利益の繰延

航空機リースの節税効果は非常に高いですが、これは出資額相当の損失を先取りして、利益を繰り延べしているにすぎません。
そのため、リース期間終了時には航空機の売却による利益が一気に計上されることから、出口戦略を考えることが重要です。

 

⑤損金算入ができなくなる税制改正のリスク

節税スキームは、今後の税制改正により活用できなくなる可能性があり、航空機リースにおいても同じことが言えます。
今後の税制改正で過去の取引に遡及されるようなことは考えにくいですが、リスクがゼロとは言い切れません。

例えば、令和2年度税制改正で活用が難しくなった節税方法として、海外中古不動産を活用した節税方法があります。こちらの詳細については、以下の記事をご参照ください。
海外中古不動産を活用した節税(税務調査事例)

 

航空機リースを活用すべき会社とは

上記のメリット・デメリットを踏まえて、次のケースに当てはまる会社では航空機リースの活用を前向きに検討できます。

①一時的に大きな利益(3,000万円程度)が出た場合

航空機リース相場の最小価額はだいたい3,000万円程度と言われています。そのため、一時的な利益が3,000万円以上の場合には、活用するメリットは高くなります。

 

②1億円以上の余裕資金があり、節税と運用の両方を行いたい場合

だいたい7年から10年は大金を預けることになります。
そのため、1億円以上の余剰資金がある会社の分散投資の一つの投資先として活用する場合には、投資に節税効果もプラスされるため、比較的に安心して運用することができます。

 

③事業承継にともなう自社株対策が必要な場合

非上場会社であっても、業績がいい会社の自社株の評価額は非常に高くなっています。
そのため、会社の事業承継にあたって、自社株を親族や他の第三者へ引き継がせることを考えたとき、この株価を下げることが非常に重要になります。
そこで、自社株対策の株価引き下げの方法として、この航空機リースの損金算入効率は非常に魅力的です。

自社株の計算方法や、航空機リース等の株価対策については、以下の記事をご参照ください。
自社株の計算方法や株価対策を分かりやすく解説!!

 

まとめ

以上今回は、航空機リースを例に、日本型オペレーティングリースの仕組みや節税効果、メリット、デメリット等を解説させていただきました。

この節税商品は非常に大きな節税効果があり、30年以上の歴史のもと広く使われてきております。
ただし、導入にあたっては注意すべき点が多々あり、今回は説明を省略していますが、導入後の税務申告においても別表作成や申告調整が必要となります。

そのため、実際に導入を検討する場合には、航空機リース導入支援実績が豊富な専門家に事前にご相談することをお勧めします。