会社を新たに設立し、役員報酬や給与を支払うこととなった場合には、年金事務所に対して、提出しなければならない届出がいくつかあります。
具体的には、必ず提出が必要な書類として、「新規適用届」や「被保険者資格取得」があり、また、必要に応じて提出すべき書類として、「被扶養者届」や「保険料口座振替納付申出書」があります。
そこで今回は、これらの中から「保険料口座振替納付申出書」について、その「概要」や「書き方」、「添付書類」などを解説します。
Table of Contents
保険料口座振替納付申出書の概要
「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書」とは、保険料の納付に口座振替を利用したい場合に提出する書類となります。
保険料の支払いについては、口座振替を利用しない場合、毎月年金事務所から送られてくる納付書で行います。
ただし、毎月わざわざ金融機関に行って窓口に並ぶことを考えると、かなり手間がかかってしまいます。そのため、金融機関に行くことが不要となる口座振替の利用をお勧めします。
「保険料口座振替納付申出書」の提出の流れ
「保険料口座振替納付申出書」の提出の流れは以下の通りです。
STEP1:申出書の準備
日本年金機構の以下のサイトより、「保険料口座振替納付申出書」をダウンロードします。
「ケース3:健康保険料・厚生年金保険料を口座振替によって納付したいとき」
なお、サイトに掲載されているダウンロードファイルにはエクセルとPDFがありますが、エクセルには入力用シートがあるため、PDFファイルを印刷して手書きで記載するより手間がかからずお勧めです。
STEP2:申出書への記載・押印
「保険料口座振替納付申出書」に記入を行い、銀行届出印を押印します。
STEP3:申出書の提出
「保険料口座振替納付申出書」を指定する引落口座のある金融機関やゆうちょ銀行へ提出します。
なお、健康保険料等の引き落としは、日本銀行の歳入代理店でしか取扱いができません。そのため、ネット銀行(イオン銀行を除く)の口座を指定することはできないことから注意が必要です。
STEP4:申出書の転送
金融機関・ゆうちょ銀行から「保険料口座振替納付申出書」の1枚目の「年金事務所用」が年金事務所へ転送されます。
なお、金融機関の確認を受けずに「保険料口座振替納付申出書」を年金事務所に提出した場合には、年金事務所から金融機関に口座の照合確認が行われます。
STEP5:口座振替
振替対象保険料の納付期限日に振替が行われます。
なお、社会保険料の納付期限は翌月末日ですが、末日が休日の場合は、翌日以降の最初の営業日となります。
保険料口座振替納付申出書の書き方と添付書類
ここでは、健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書の書き方や添付書類を確認します。
(1)保険料口座振替納付申出書の記載イメージ
(2)保険料口座振替納付申出書の書き方
保険料口座振替納付申出書は、「提出者記入欄」と「A 指定預金口座欄」を記入します。また、1枚目と2枚目には、基本的に同じ内容を記入しますが、押印等で異なる点もあります。
具体的な「保険料口座振替納付申出書」の書き方は、以下の通りです。
①1枚目の書き方
<提出者記入欄>
事業所整理番号、事業所番号:
事業所が健康保険及び厚生年金保険の適用対象となった際に、年金事務所より交付された整理記号と事業所番号を記入します。
Ex)事業所整理番号:01-イロハ、事業所番号:12345
なお、新規適用時に一緒に提出する場合には、空欄のままで問題ありません。
事業所所在地、事業所名称、事業主氏名、電話番号:
「事業所所在地」、「事業所名称(フリガナ含む)」、「事業主氏名(フリガナ含む)」、「電話番号」を記入します。
また、会社の場合、「事業主氏名」には代表者の役職(ex.代表取締役)も記入します。
<A 事由欄>
振替事由区分:
新規の場合は「①」、変更の場合は「②」を記入します。
<B 指定預金口座欄>
銀行区分:
指定預金口座がゆうちょ銀行以外の銀行の場合には、「金融機関名(例えば、〇〇銀行△△支店など)」、「預金種別(普通預金の場合は①、当座預金の場合は②)」、「口座番号」を記入します。
一方で、指定預金口座がゆうちょ銀行の場合には、「通帳記号」、「通帳番号」を記入します。
②2枚目の書き方
2枚目は基本的に1枚目と同じ内容を記入します。
1枚目と次の点が異なりますので、ご注意ください。
✓指定預金口座欄の右側に金融機関の届出印を押印します。
✓提出者記入欄の右側に金融機関にて、確認印を押印してもらいます。 |
(3)保険料口座振替納付申出書の添付書類
「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書」に添付が必要な書類はありません。
会社設立後に必要となるその他の手続き
会社設立後に必要となる税務関係手続や社会保険関係手続については、以下の記事をご参照ください。
会社設立後の税務関係手続・社会保険関係手続
また、「保険料口座振替納付申出書」以外の社会保険に関する届出の「新規適用届」、「被保険者資格取得届」、「被扶養者届」については、以下の記事をご参照ください。
新規適用届はこちら:
【会社設立後の提出書類⑥】健康保険・厚生年金保険の基本と新規適用届の書き方(記入例あり)
被保険者資格取得届はこちら:
【会社設立後の提出書類⑦】被保険者資格取得届の概要と書き方(記入例あり)
被扶養者届はこちら:
【会社設立後の提出書類⑧】被扶養者届の概要と書き方(記入例あり)
まとめ
以上今回は、「保険料口座振替納付申出書」について、その「概要」や「書き方」、「添付書類」などを解説いたしました。
「健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付申出書」とは、保険料の納付に口座振替を利用したい場合に提出する書類となります。
保険料の支払いについては、口座振替を利用しない場合、毎月年金事務所から送られてくる納付書で行いますが、金融機関等に行く手間を考えると、口座振替を利用することをお勧めします。
今回の記事では、「健康保険・厚生年金保険」についての口座振替の利用をお勧めしましたが、「労働保険料」の口座振替については、以下の記事をご覧ください。
【会社設立後の提出書類⑫】労働保険の口座振替依頼書の概要と書き方(記入例あり)
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