税務署で調査を担当していた税理士(国税OB)・公認会計士が在籍/国の認定を受けた支援機関(認定経営革新等支援機関 ID:106613011301)/全国どこからでもオンラインで対応

後継者は決まったものの、自社株をどう渡せばよいのか判断できないまま数年が過ぎている。銀行や保険会社から提案を受けたが、その内容が自社に合っているのか分からない。事業承継では、判断の材料がそろわないまま時間だけが過ぎていきます。

自社株は、会社の利益や純資産などの状況によって評価額が高くなることがあります。承継する時期によって税負担が変わる可能性があり、準備がないまま相続が起きると株式が複数の相続人に分散するおそれもあります。保田会計事務所では、まず自社株の評価額と現時点で相続が起きた場合の税額の見込みを出し、そのうえで取りうる方法をご提案しています。

すでに相続が発生している方は、生前の事業承継対策ではなく、遺産分割・株式の権利関係の確認・相続税申告の要否確認など、相続発生後の対応を優先します。

相続サポートのページをご覧ください。

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こんなお悩みはありませんか?

事業承継のご相談は、方針が決まっていない段階から承っています。

何を決めればよいのかが分からないまま時間だけが過ぎている、という状態でも構いません。

  • 後継者は決まっているが、自社株をどう渡せばよいか分からない
  • 自社株の評価額が高いと言われたが、実際の金額を把握していない
  • 株式が親族に分かれていて、後継者に集められるか不安がある
  • 銀行や保険会社から提案を受けたが、自社に合っているか判断できない
  • 事業承継税制という制度を聞いたが、自社で使えるのか分からない
  • 顧問税理士に相談したが、事業承継の話になると具体的な提案が出てこない
  • 相続が起きたときに、後継者以外の子どもとの間で揉めないか心配
  • そろそろ動いたほうがよいと思いつつ、何から手をつければよいか分からない

ひとつでも当てはまる方は、一度ご相談ください。

決算書や株主名簿がお手元になくても、会社の規模と株主の構成をうかがえれば、おおよその方向性はお伝えできます。

事業承継の準備が遅れると起きる3つのこと

事業承継を後回しにすると、会社の状況が変わったり、制度の期限が近づいたりして、検討に使える時間が少なくなることがあります。特に確認しておきたいのは、自社株の評価額・相続による株式の分散・事業承継税制の期限の3つです。

自社株の評価額が高くなる可能性

上場していない会社の株式には市場価格がないため、相続税や贈与税を計算するときは、会社の利益や純資産などをもとに決められた方法で評価します。会社の利益や純資産が増えることなどにより、自社株の評価額が高くなる場合があります。

評価額が高くなると、承継方法や特例の適用状況によっては、贈与税や相続税の負担が大きくなる可能性があります。先送りしている間に会社の状況が変わることもあるため、まずは現在の評価額を把握しておくことが大切です。

早めに現状を確認できれば、株式を渡す時期や方法、必要な資金などを検討する時間を確保しやすくなります。

準備がないまま相続が起きたときの株式の分散

遺言もなく、生前に株を渡していない状態で経営者が亡くなると、自社株も遺産のひとつとして相続の対象になります。遺産分割がまとまるまでは、自社株が共同相続人の共有状態となり、株式の権利を行使する際に相続人間の調整が必要になる場合があります。

後継者が十分な議決権を確保できないと、役員の選任や定款の変更など、株主総会で重要なことを決める場面で他の株主との調整が必要になることがあります。

また、自社株は売って現金に換えることが難しい財産です。遺産の大半が自社株という会社では、後継者以外の相続人との財産の分け方が難しくなることがあります。相続税を納めるためのお金をどう用意するかも、あわせて考えておく必要があります。

事業承継税制の特例措置に設けられた期限

事業承継税制は、一定の要件を満たした場合に、自社株にかかる贈与税・相続税の納税を猶予できる制度です。この制度には期限のある特例措置があり、利用するには特例承継計画を都道府県へ提出する必要があります。

特例承継計画の提出期限は令和9年(2027年)9月30日で、特例措置の適用期限は令和9年12月31日です(中小企業庁「法人版事業承継税制(特例措置)」)。

この制度は、利用すれば必ず得になるものではありません。一定の要件のもとで納税が猶予され、後継者の死亡など、法律で定められた事由に該当した場合には猶予税額が免除されます。一方、要件を満たさなくなった場合などには、猶予税額の全部または一部と利子税の納付が必要になることがあります。

利用するかどうかを判断するためにも、期限から逆算して準備することが重要です。

初回相談は無料です。まずは現状をお聞かせください

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保田会計事務所が事業承継の相談先に選ばれる理由

事業承継の相談先は、税理士だけではありません。銀行やM&A(会社の売買)の仲介会社、公的な窓口もあります。そのなかで税理士に相談する利点は、自社株の評価額や税金の見込みを確認しながら、複数の方法を比較できる点です。保田会計事務所では、税務調査を担当した経験や、国の認定を受けた支援機関としての知識も生かして対応しています。

1. 税務署で調査をしていた税理士による確認

代表の保田圭祐は、平成18年に東京国税局に入社し、東京・神奈川の税務署で主に法人税等の税務調査を担当していました。その後、PwCあらた有限責任監査法人を経て、辻・本郷税理士法人で事業承継と相続対策のコンサルティングを担当してきました。

事業承継では、役員退職金の金額、組織再編の税務上の要件、株式の売買価格など、後から税務上の確認が必要になる点があります。

当事務所では、国税勤務の経験も踏まえ、税務上確認すべき点や必要な根拠資料を確認しながら進めます。

2. 会社の承継と家族の相続をまとめて検討

会社の承継と家族の相続を別々に進めると、噛み合わなくなることがあります。たとえば、自社株を後継者にまとめた結果、他の子どもに渡せる財産が少なくなり、遺留分への配慮が必要になるケースです。

保田会計事務所では、生前の贈与・遺言・家族信託・認知症への備えまで含め、税務面から全体を確認します。会社の株式をどうするかという話と、経営者個人の財産をどう分けるかという話を、あわせて検討できます。

後継者に株式を渡したあと、その後継者から次の世代へどのように承継するかまで含めてご提案します。

3. 国の認定を受けた支援機関として計画づくりに対応

事業承継税制の特例措置を利用するには、認定経営革新等支援機関の指導・助言を受けた旨を記載した特例承継計画を、都道府県へ提出して確認を受ける必要があります。保田会計事務所は認定経営革新等支援機関の認定を受けています(認定支援機関ID:106613011301)。

そのため、制度を利用できるかどうかの確認から、特例承継計画の作成支援、都道府県への提出まで対応できます。

また、制度によっては、認定経営革新等支援機関の関与が申請や利用の要件となっている場合があります。

4. 会社の再編を使った自社株対策にも対応

事業承継では、役員退職金・生命保険・不動産などのほか、持ち株会社の設立、会社同士の合併、会社分割などの組織再編が選択肢になる場合もあります。

当事務所では、自社株の評価額を確認したうえで、生命保険・退職金・不動産・持ち株会社・組織再編などの方法を比較します。合併・会社分割・株式交換のほか、現物出資・DES(債務の株式化)・現物分配・自己株式の取得や保有(金庫株)・減資といった手続きにも対応しています。

どの方法にも、良い面と注意点があります。評価額に有利な影響が出る場合でも会社から資金が出ていくことがあるほか、手続きに時間がかかったり、その後の相続に影響したりすることもあります。効果と負担の両方を数字でお見せしたうえで、判断していただいています。

5. 顧問税理士を変えずに意見だけ聞くことも可能

いまの顧問税理士との関係を続けたまま、事業承継の部分だけ別の意見を聞きたい、というご相談も受けています。顧問契約を変えていただくことが前提ではありません。

銀行や保険会社から受けた提案の内容を確認したい、顧問税理士が作成した事業承継の計画を見てほしい、という形のご依頼にも対応しています。

詳しくは税理士のセカンドオピニオンをご覧ください。

6. オンラインで全国対応が可能

保田会計事務所は東京都江東区越中島にあり、都営大江戸線「門前仲町」駅から徒歩6分です。日本全国のご相談にZoomなどのオンライン面談で対応します。営業時間は9:00〜20:00、定休日はありません。ご予約いただければ平日夜間や土日祝日のご相談にも対応できます。

事業承継の対策を進めるメリット

対策を始めると、何が決まっていて何が決まっていないのかを確認できます。順番によっては手続きや税負担が変わるため、当事務所ではまず現状を数字で確認するところから始めています。

承継にかかる税金の見込み

自社株の評価額に加え、経営者個人の財産や家族構成などを確認すると、いま贈与した場合の贈与税や、相続が起きた場合の相続税の概算を確認できます。金額が見えれば、税金を納めるためのお金をどう用意するか、自社株の評価への対策をどこまで検討するかを判断しやすくなります。

後継者に株式を集める方法

株主名簿を確認して誰が何株持っているかが分かると、後継者がどの程度の株式・議決権を持つことが望ましいかを検討できます。贈与するのか、買い取るのか、議決権のない株式(種類株式)を使うのか、といった方法も比較できます。

後継者以外の家族への配分

自社株を後継者にまとめる場合は、他の相続人の遺留分を侵害しないかも確認します。兄弟姉妹以外の一定の相続人には遺留分があり、侵害した場合には、受贈者などに対して金銭の支払いを請求されることがあります。

生前に財産の分け方を検討し、遺言や生命保険などを組み合わせておくことで、相続が起きた後の調整に備えられます。

事業承継税制を使うかどうかの判断

特例措置には期限があるため、利用する可能性がある場合は、早めに適用要件や納税猶予額を確認しておくことが大切です。利用しない場合も、代わりにどのような方法を取るかを検討できます。

保田会計事務所の事業承継サポート

ご相談は株をどう渡すかという話から始まりますが、その前に確認しておくことがあります。誰が株を持っているか・誰に継がせるか・いつ継がせるかによって、検討する方法が変わるためです。当事務所では、現状の把握から承継したあとの対応まで、段階ごとに区切って進めます。

現状の把握と自社株の評価

最初に行うのは、会社と経営者個人の現状を数字にすることです。株主名簿・決算書に加え、必要に応じて経営者個人の財産や家族構成なども確認し、次の内容を把握します。

  • 誰が何株持っているか
  • 名義だけが残っている株(いわゆる名義株)や、連絡の取れない株主がいないか
  • 自社株の評価額
  • いま相続が起きた場合の相続税額の概算
  • 経営者個人の財産と、会社の借入金について個人保証をしているかどうか

ここまでで、どこに対応が必要か、どの程度の対策を検討する必要があるかが見えてきます。会社の状況によって差はありますが、当事務所ではこの現状分析に1か月ほどをいただいています。

自社株の株価対策と渡し方

自社株の評価額への影響を確認する方法と、後継者へ株式を渡す方法の両方を検討します。当事務所が扱う主な方法は次のとおりです。

分類 内容
評価額への影響を検討する 役員退職金、生命保険、不動産などを含め、会社の利益・純資産・資金への影響を確認
株の持ち方を変える 持ち株会社の設立、従業員持株会の活用
株を渡す 生前贈与、売買、遺言による承継

どの方法を使うかは、会社の規模・業種・経営者の年齢・手元の資金などによって変わります。

自社株の評価に影響する対策のなかには会社から資金が出ていくものもあるため、残る現預金とのバランスを見ながら組み合わせを決めます。

事業承継税制(納税猶予制度)の適用支援

事業承継税制を利用するかどうかの判断から、申請や申告の手続きまで対応します。

  1. 会社と後継者が制度の要件に当てはまるかの確認
  2. 利用した場合と利用しなかった場合の税負担の比較
  3. 特例承継計画の作成と都道府県への提出
  4. 株式の贈与・相続等に伴う都道府県への認定申請
  5. 贈与税・相続税の申告

制度の適用後、当初5年間は都道府県への年次報告と税務署への継続届出が必要です。6年目以降も、原則として税務署への継続届出を3年ごとに行います。

会社の再編を使った承継の組み立て

株式交換や会社分割などの組織再編によって、株式の保有関係や承継方法を組み替えられる場合があります。その結果として自社株の評価額に影響することもありますが、税務上の要件や会社の状況を個別に確認する必要があります。

当事務所では、合併・会社分割・株式交換・現物出資・DES(債務の株式化)・現物分配・自己株式の取得や保有(金庫株)・減資などに対応しています。こうした再編は税務上の要件が細かく、要件を満たさない場合は想定していなかった税負担が生じることがあります。条件の確認から実行後の申告まで続けて対応します。

承継したあとの顧問対応と次の相続への備え

事業承継は、株式を渡して終わりではありません。後継者が社長になった後の税務顧問や、事業承継税制を利用した場合の継続手続き、さらに次の世代への承継の準備が続きます。

保田会計事務所では、承継後の税務顧問にも対応しています。

顧問料は会社の規模によって決まります。業務報酬のページをご覧ください。

料金について

事業承継の費用は、会社の規模、株主の人数、対策の内容によって大きく変わります。決算書と株主名簿を見ないまま金額をお伝えすると、かえって判断を誤らせてしまうため、そうしたご案内はしていません。

  • 初回のご相談は無料
  • 現状をうかがったうえで、対策の選択肢とお見積もりをご提示
  • 内容と金額にご納得いただいた場合のみご契約
  • ご相談の段階で契約を迫ることはありません

なお、承継後の税務顧問料は業務報酬のページに掲載しています。

費用の目安を知りたい方も、まずはご相談ください

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ご相談から事業承継までの流れ

STEP 1 お問い合わせ

お電話・フォーム・LINEのいずれかからご連絡ください。決算書や株主名簿が手元になくても構いません。

STEP 2 無料相談

現在の状況を詳しくうかがいます。株主の構成、後継者の有無、いつ頃までに承継したいか、これまでに他社から受けた提案の内容などをお聞かせください。

STEP 3 対策のご提案とお見積もり

現状の分析をもとに、取りうる方法をお示しします。内容にご納得いただいた場合のみ、ご契約となります。

STEP 4 対策の実行

決まった方法にそって手続きを進めます。自社株の評価への対策、贈与や売買による株式の移転、事業承継税制の申請、組織再編など、内容によって進め方は変わります。

STEP 5 申告と承継後のサポート

贈与税や相続税の申告を行います。事業承継税制を利用した場合は、当初5年間は都道府県への年次報告と税務署への継続届出を行い、その後も原則として3年ごとに税務署への継続届出が必要です。

解決事例

代表を交代しても、先代が株式を持ったままでは事業承継は終わりません。その状態から株式の承継まで進めた例です。

先代が2社の株主として残っていた製造業(金属製品製造業)

【ご相談時の状況】

先代の社長が2社の株を持ったまま会長として残り、影響力を保っている状態でした。先代の影響を残さない形で株式を後継者へ渡したい、というご相談です。

【課題】

  • 会社の歴史が長く、自社株の評価額が高くなっていた
  • 株式を承継するときにかかる税金が大きい
  • 事業承継のスケジュールが決まっていない

【当事務所の対応】

会社の再編(株式交換)を使って自社株の評価額を引き下げました。あわせて会長への退職金を支給し、事業承継のスケジュール案を作成しています。

【期間と結果】

現状分析に1か月、事業承継の支援に3か月をかけ、2社の自社株評価額の合計を3億円ほど引き下げました。

よくあるご質問

事業承継のご相談でいただく質問と、その回答です。

Q. 後継者がまだ決まっていない段階でも相談できますか?

はい、ご相談いただけます。後継者が決まっていなくても、自社株の評価額と税金の見込みを知っておくことには意味があります。金額が分かれば、親族に継がせるのか、従業員に譲るのか、社外へ売るのかを決める材料になります。

Q. 顧問税理士がいますが、相談してもよいのでしょうか?

顧問契約を変更していただく必要はありません。事業承継の部分だけをご相談いただく形にも対応しています。他社から受けた提案の内容を確認してほしい、というご依頼も承っています。

Q. 事業承継の準備はいつから始めればよいですか?

決まった時期はありませんが、早めに現状を把握しておくほど、承継方法を検討する時間を確保しやすくなります。自社株への対策や組織再編を行う場合は、実行までに年単位の期間が必要になることもあります。事業承継税制の特例措置を検討する場合は、特例承継計画の提出期限(令和9年9月30日)から日程を逆算しておくことが大切です。

Q. 事業承継税制は使ったほうがよいのでしょうか?

会社の状況によります。この制度は、一定の要件を満たした場合に贈与税・相続税の納税を猶予する制度です。後継者の死亡など所定の事由に該当すると、猶予されている税額が免除されます。一方、要件を満たさなくなった場合などには、猶予税額の全部または一部と利子税の納付が必要になることがあります。

利用するかどうかは、猶予できる税額の大きさだけでなく、承継後も要件を満たせるかを含めて判断します。

Q. 銀行やM&Aの仲介会社から提案を受けていますが、その内容を見てもらえますか?

対応しています。提案書と決算書をお持ちいただければ、税務の面から内容を確認し、他に取りうる方法があるかどうかをお伝えします。

Q. 地方の会社でも依頼できますか?

Zoomなどのオンライン面談で対応しています。資料のやり取りは郵送またはデータで行えますので、遠方の会社からのご依頼も承っています。

Q. 相談の段階で料金はかかりますか?

初回のご相談は無料です。お電話・フォーム・LINEからお問い合わせください。ご相談の段階で契約を迫ることはありません。

お問い合わせはこちらから

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事業承継の基礎知識

ここから先は、事業承継について調べ始めた方に向けた基本的な内容です。専門用語が多く出てくる分野ですが、経営者ご自身が判断するために知っておいたほうがよい範囲にしぼって説明します。

事業承継とは

事業承継とは、会社の経営を次の世代に引き継ぐことです。社長の交代だけを指すのではなく、会社を動かす権利、株式や事業に使っている資産、取引先との関係や技術まで含めて引き継ぎます。

「事業継承」と書かれることもありますが、国の制度や法令では「事業承継」が使われています。そのため、本ページでも「事業承継」に表記を統一します。

事業承継は、会社の規模を問わず、いつか向き合うことになる課題です。準備をせずに経営者が亡くなった場合、残された家族と従業員が短期間で多くの判断を迫られます。

事業承継の3つの方法

引き継ぐ相手によって、事業承継は大きく3つに分けられます。それぞれで進め方や税金のかかり方が変わります。

方法 引き継ぐ相手 利点 注意点
親族への承継(親族内承継) 子や配偶者などの親族 早くから準備でき、社内や取引先の理解を得やすい 相続税・贈与税の負担や、他の相続人との調整を確認する必要がある
従業員・役員への承継 社内の役員や従業員 事業を理解している人に任せられる 株式を買い取る場合は資金確保が課題になることがある。個人保証について金融機関との調整が必要になる場合もある
社外への承継(第三者承継・M&A) 社外の会社や個人 後継者がいなくても事業を続けられる。先代が株式の売却代金を受け取れる場合がある 相手探しや条件調整に時間がかかる場合がある。従業員や取引先への影響も確認が必要

どの方法が合うかは会社によって違います。親族に後継者がいない場合でも、従業員への承継やM&Aなど複数の選択肢があります。自社株の評価額や会社の財務状況が分かると、資金面も含めて比較しやすくなります。

事業承継で引き継ぐもの

引き継ぐ対象は、株式だけではありません。大きく3つに分けて考えます。

経営に関するもの

社長という立場、後継者としての力量、社内での信頼、取引先や銀行との関係です。後継者を育てるには時間がかかり、社内や取引先に知らせていく段階も必要になります。

資産に関するもの

自社株、事業に使っている不動産や設備、運転資金、そして借入金や個人保証です。経営者が会社の借入金について個人保証をしている場合は、先代の保証を解除できるか、後継者に新たな保証が必要かを金融機関と確認します。

目に見えないもの

技術やレシピ、顧客との関係、社内の仕組みなどです。書面に残っていないものが多く、後継者に伝わるまでには時間がかかります。

許認可が必要な事業では、承継できるか、新たな手続きが必要かを制度ごとに確認する必要もあります。

税金の話は資産の部分に集中しますが、事業承継が止まる原因は経営の部分にあることもあります。後継者が決まらない、決まっても任せられる状態にならない、というつまずき方です。

自社株の評価額はどう決まるのか?

上場していない会社の株式には市場価格がないため、相続税や贈与税を計算するときは決められた方法で評価額を出します。評価方法は、株を受け取る人が会社の経営支配力を持つ「同族株主等」に当たるか、それ以外の株主かによって変わります。

同族株主等が受け取る場合は、会社を総資産価額・従業員数・取引金額によって大会社・中会社・小会社に区分したうえで、原則として次の方法で評価します(国税庁「No.4638 取引相場のない株式の評価」)。

会社の区分 原則となる評価方法
大会社 類似業種比準方式
中会社 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用
小会社 純資産価額方式

類似業種比準方式は、同じ業種の上場会社の株価をもとに、配当・利益・純資産などを比べて評価する方法です。純資産価額方式は、会社の資産や負債を相続税評価額に直して、正味の財産をもとに評価します。

一方、同族株主等以外の株主が取得する株式は、会社の規模にかかわらず、原則として配当還元方式で評価します。1年間の配当をもとに計算する方法で、原則的な評価方法より評価額が低くなる場合があります。同じ会社の株式でも、誰が取得するかによって評価方法が変わることがあります。

会社の利益や純資産などは、自社株の評価額に影響する要素です。そのため、事業承継では会社の利益・資産・負債などを確認したうえで、評価額への影響を見ながら対策を検討します。

事業承継でかかる税金

自社株をどう渡すかによって、かかる税金と負担する人が変わります。

渡し方 主にかかる税金 主に負担する人
生前贈与 贈与税 後継者
相続・遺贈 相続税 株式を取得した相続人・受遺者
売買 先代経営者が個人の場合、株式の譲渡益に所得税・住民税 株式を売却した先代経営者

贈与税の計算方法は2つあります。ひとつは暦年課税で、1年間に受け取った財産の合計から110万円の基礎控除を差し引いた金額に税率をかけます。税率は金額が大きくなるほど上がり、最も高い区分では55%です(国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」)。

もうひとつは相続時精算課税です。原則として60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫へ贈与する場合に選べます。年110万円の基礎控除に加え、累計2,500万円までの特別控除があり、これらを超えた部分には一律20%の税率がかかります。

贈与者が亡くなったときは、原則として相続時精算課税で贈与した財産を相続税の計算に加えます。ただし、2024年1月1日以後の贈与については、毎年110万円の基礎控除に相当する部分は加算されません。一度この制度を選ぶと、同じ贈与者からの贈与について暦年課税に戻すことはできません(国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」)。

将来、自社株の評価額が上がると見込まれる場合には、相続時精算課税を利用して早めに贈与する方法が選択肢になることもあります。ただし、将来の株価変動や他の財産への影響も含めて判断する必要があります。

事業承継税制とは

事業承継税制は、後継者が受け取った自社株にかかる贈与税・相続税について、一定の要件のもとで納税を猶予する制度です。後継者の死亡など所定の事由に該当した場合には、猶予されている税額が免除されます。会社向けの法人版と個人事業向けの個人版があり、法人版には一般措置と特例措置があります。

特例措置には、主に次の特徴があります。

  • 対象株式数の上限がなく、対象となる贈与税・相続税の全額が納税猶予の対象
  • 複数の株主から最大3人の後継者への承継が対象
  • 5年間の平均雇用が8割を下回った場合でも、それだけで直ちに納税猶予が打ち切られるわけではなく、理由などを記載した報告が必要
  • 事業の継続が困難となる一定の事由が生じ、会社の譲渡や解散などを行う場合には、猶予税額を再計算し、一定額が免除される仕組みがある

特例措置を利用するには、先に特例承継計画を都道府県へ提出して確認を受けます。計画には後継者の名前や承継後の事業計画などを記載し、認定経営革新等支援機関から指導・助言を受ける必要があります。提出期限は令和9年(2027年)9月30日で、特例措置の適用期限は令和9年12月31日です。

制度の適用後も手続きが続きます。当初5年間は、都道府県への年次報告と税務署への継続届出を毎年行います。6年目以降は、原則として税務署への継続届出を3年ごとに行います。

当初5年間には代表者の継続などの要件があり、その後も対象株式の保有など、納税猶予を続けるための要件があります。要件を満たさなくなった場合などには、猶予税額の全部または一部と利子税の納付が必要になることがあります。

納税を猶予できる金額が大きい会社ほど影響も大きくなるため、制度を利用するかどうかは、税額だけでなく承継後の計画も含めて判断することが大切です。

事業承継の順序と必要な期間

事業承継は、次のような順序で進めます。

  1. 現状の把握(誰が株を持っているか、自社株の評価額、後継者の有無、個人保証の状況)
  2. 課題の確認と承継の方針決め
  3. 事業承継計画の作成
  4. 対策の実行(株式の承継方法・評価額への対策・組織再編・後継者の育成)
  5. 代表者の交代と株式の承継
  6. 承継後の手続きと次の世代への準備

期間は会社によって違います。当事務所では、自社株の評価や課税の見込みを含む現状分析に、目安として1か月ほどいただいています。株式の承継方法の検討や組織再編を挟むと、数か月から年単位になる場合もあります。後継者の育成まで含めれば、さらに長い期間が必要になることもあります。

中小企業基盤整備機構も、円滑な事業承継には早めの準備と計画的な取り組みが必要だとしています。

事業承継の相談先の選び方

事業承継の相談先は複数あり、それぞれ対応しやすい領域が違います。

相談先 向いている場面 確認しておきたい点
顧問税理士 会社の数字を把握しているため相談を始めやすい 事業承継でどこまで対応できるかを確認
事業承継に対応する税理士 自社株の評価や税金が絡む対策を相談したい場合 事務所ごとに対応範囲や得意分野が異なる
金融機関 融資や資金調達も含めて相談したい場合 提案の目的・費用・商品内容などもあわせて確認
M&Aの仲介会社 第三者承継の相手探しや条件調整を進めたい場合 M&A以外の方法も比較する場合は他の専門家への相談も検討
事業承継・引継ぎ支援センター 何から始めるかを無料で相談したい場合 手続きの内容によっては税理士・弁護士などの専門家との連携が必要

事業承継・引継ぎ支援センターは、国が設けている公的な相談窓口です。全国にあり、親族への承継の計画づくりから社外への引き継ぎまで、無料で相談できます。まず全体像を知りたい段階であれば、こうした公的窓口を使う方法もあります。

複数の相談先を使い分けることもできます。金融機関から受けた提案を税理士に確認してもらう、公的窓口で全体像を把握してから専門家に依頼する、といった進め方です。

顧問税理士がいる場合の相談先

顧問税理士がいる会社でも、事業承継について別の事務所へ相談できます。事業承継への対応範囲や経験は事務所によって異なるため、自社株の評価や組織再編まで相談したい場合は、対応できる範囲を確認しておくと安心です。

顧問を変えずに事業承継の部分だけ依頼する、対策の内容についてセカンドオピニオンを求める、といった形も取れます。

保田会計事務所でも、顧問契約の変更を前提としないご相談を承っています。

まずは無料でご相談ください

事業承継は、決めることが多く、一度に全部を判断しようとすると手が止まります。まずは自社株の評価額と、いま相続が起きた場合の税額の見込みを把握するところから始めると、次に確認することが見えやすくなります。

ご相談は無料です。決算書や株主名簿がお手元になくても、まずは現状をお聞かせください。