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自己資金ゼロでは日本政策金融公庫の創業融資を受けられない?

起業を考えている人の中には、創業資金として日本政策金融公庫から融資を受けることを検討する方も多いと思います。その際に「自己資金がゼロの人も日本政策金融公庫から創業融資を受けられるのでしょうか。

今回は、「自己資金ゼロでは日本政策金融公庫の創業融資を受けられない?」を解説します。

必要となる自己資金の目安なども併せて解説しているため、日本政策金融公庫の創業融資を検討中の人は是非、ご参考になさってください。

なお、創業融資について、ご相談されたい方は、以下のサイトもご参照ください。
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自己資金がゼロの人は融資を受けられない可能性がある

日本政策金融公庫では、自己資金が少ない人は創業融資を受けられない可能性があります。

とくに、自己資金がゼロの人は創業融資を受けられない可能性があるため、借入先として日本政策金融公庫を検討中の人は注意が必要です。

ここで、創業融資における自己資金とは、事業に使用する予定の資金のことです。
自己資金として認められる傾向があるものとしては、以下のようなものがあります。

✓預金または貯金
✓配偶者名義の通帳にある預金
✓保有資産を売却してできた資金
✓退職金
✓親族から贈与されたお金(状況によっては自己資金とならない)

一方で、自己資金として認められない傾向があるものとしては、以下のようなものがあります。

✓タンス預金
✓借りたお金
✓宝くじ、競馬などで当たったお金
✓見せ金

 

創業融資における自己資金の詳細は、以下の記事をご参照ください。
創業融資の自己資金として認められるお金とは?

また、開業資金がゼロの状態から開業に向けて準備する予定の人は、以下の記事もご参照ください。
開業資金ゼロの人でも起業できるのか?

 

 

日本政策金融公庫の自己資金の要件

例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度においては、「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方」という要件があるため、新創業融資制度を利用できるのは、原則として創業資金総額の10分の1以上の自己資金がある人になります。

この点、日本政策金融公庫の担当者に自己資金がない人も融資を受けられるかどうか確認したところ、「自己資金がない人も申し込みは可能ですが、自己資金がある人が望ましい」と回答を受けたことがあります。

このように自己資金がゼロの人は創業融資を受けられない可能性があるため、不安な人は事前に一度、融資の専門家にご相談されることをお勧めします。

 

 

自己資金がゼロの人も要件を満たしている場合がある

日本政策金融公庫の融資制度によっては、自己資金がゼロの人も自己資金に関する要件を満たしている場合があります。

例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度では自己資金がゼロの人であっても、次の人は、自己資金の要件を満たすものとして取り扱われます

現在の企業に継続して6年以上勤めている人(現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める場合)

現在の企業と同じ業種に通算して6年以上勤めている人(現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める場合)

✓産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める人

✓都市銀行や信用金庫などの民間金融機関と日本政策金融公庫による協調融資を受けて事業を始める人

 

詳細は日本政策金融公庫の以下のサイトにある「新創業融資制度の『自己資金の要件を満たすものとする要件』」をご参照ください。
新創業融資制度の「自己資金の要件を満たすものとする要件」|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

この点、日本政策金融公庫の担当者に所定の要件を満たしていた場合には自己資金がゼロでも融資を受けられるかどうか確認したところ、「所定の要件を満たしている人であっても自己資金がある方が望ましい」との回答を受けたことがあります。

自己資金要件はあくまでも創業融資の要件の1つであるため、この要件を満たしたとしても、実際に融資を受けられるかどうかや融資額は面談や創業計画の内容により異なります。

なお、新創業融資制度の詳細については、以下の記事もご参考になさってください。
創業時に使える新創業融資制度とは?

 

 

必要となる自己資金は創業資金総額による

日本政策金融公庫から創業融資を受ける場合に、必要となる自己資金は申込者ごとに異なります。なぜなら、必要となる自己資金は創業資金総額によるからです。

創業資金総額とは、創業時に使用する予定の資金総額のことです。日本政策金融公庫から融資を受ける際には、原則として創業資金総額から自己資金を引いた金額を借り入れることなります。

例えば、新創業融資制度の融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)ですが、申込者が創業資金総額1,000万円、自己資金100万円の場合、実際の融資額の上限は「1,000万円-100万円=900万円」が目安となります。

また、新創業融資制度の場合、原則として創業資金総額の10分の1以上の自己資金が必要になるため、自己資金の最低金額と融資額の上限は、下表のようになります。

創業資金総額(A) 自己資金の最低金額
( B = A × 1 / 10 )
融資額の上限
( A – B )
100万円の人 最低10万円 最大90万円
200万円の人 最低20万円 最大180万円
300万円の人 最低30万円 最大270万円
500万円の人 最低50万円 最大450万円
1,000万円の人 最低100万円 最大900万円

 

上記の表の通り、自己資金が100万円ある人は最大1,000万円の融資を受けられる計算ですが、創業資金総額が500万円だった場合には「500万円(創業資金総額)-100万円(自己資金)=400万円(必要資金)」となるため、融資額の上限は400万円となる可能性が高いです。

ただし、実際に融資で調達できる金額は自己資金に加え、面談時の説明や創業計画書の内容など、申込者の情報から総合的に判断されます。繰り返しになりますが、自己資金があっても融資を受けられるとは限らないため、注意が必要です。

 

 

自己資金は創業資金総額の3割が目標

自己資金を貯めている人は、まずは創業資金総額の3割が目標になります。

日本政策金融公庫の「2022年度新規開業実態調査(日本政策金融公庫 総合研究所調べ)」によると、創業資金総額に占める自己資金の割合は約3割だからです。

例えば、500万円の創業資金総額を予定している人は、下表の通り、「500万円×0.3=150万円」を自己資金の目標金額にする計算となります。

創業資金総額(A) 自己資金の目標金額
( A × 30% )
100万円の人 30万円以上
200万円の人 60万円以上
300万円の人 90万円以上
500万円の人 150万円以上
1,000万円の人 300万円以上

 

なお、創業資金総額に占める自己資金の割合3割はあくまで目安であるため、創業資金総額の3割の自己資金があっても融資を受けられるとは限らず、また創業資金総額の3割の自己資金がなくても融資を受けられる可能性もあります

 

 

創業融資には創業計画書も重要

創業計画書とは、起業をする際に、事業内容を説明するために作る書類のことです。

自己資金の目途が立った人は、この創業計画書の内容についても検討しておく必要があります。なぜなら、日本政策金融公庫に創業融資を申し込む際には、創業計画書の提出を求められ、創業計画書の内容は審査の上で重要とされているからです。

日本政策金融公庫の公式サイトにある「よくあるご質問」の1つに、「自己資金は重要な要素のひとつですが、それ以上に創業計画全体がしっかりしているかが重要になります」という旨が記載されています。

日本政策金融公庫が用意している創業計画書のテンプレートには、「創業の動機」や「必要な資金と調達方法」といった項目があり、「必要な資金と調達方法」の項目には、自己資金の金額を記入する欄もあります。

創業計画書の書き方については、日本政策金融公庫の以下のサイトにある「創業計画書【記入例】」をご参照ください。
なお、創業計画書の記入例としては、以下の業種が用意されています。

✓洋風居酒屋、美容業、中古自動車販売業

✓婦人服・子供服小売業、ソフトウェア開発業、内装工事業

✓学習塾、歯科診療所、介護サービス

各種書式ダウンロード|国民生活事業|日本政策金融公庫 (jfc.go.jp)

 

 

まとめ

以上今回は、「自己資金ゼロでは日本政策金融公庫の創業融資を受けられない?」を解説させていただきました。

日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用できるのは、原則として創業資金総額の10分の1以上の自己資金がある人になります。

実際に創業融資を受けようとする人は、創業資金総額の10分の1ではなく、創業資金総額の3割が目標となります。ただし、創業資金総額に占める自己資金の割合3割はあくまで目安となります。

日本政策金融公庫から創業融資を受けるためには、自己資金は重要な要素の一つですが、自己資金は創業計画の一部となるため、日本政策金融公庫からの融資を検討中の人は、創業計画を見直すことも重要です。

「江東区・中央区(日本橋)・千葉県(船橋)」を拠点とする保田会計グループでは、創業融資のご相談も積極的にお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。
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