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「税務調査の通知が来た」「調査官が来るらしいが、何を準備すればいい?」
突然の税務調査通知に不安を感じていませんか?
税務調査は、法人・個人事業主問わず、事業を営んでいる限り避けては通れない可能性のある制度です。
ですが、調査の流れや見られるポイント、そして対応策を知っておくことで、落ち着いて対応し、リスクを最小限に抑えることが可能です。
この記事では、税務調査の基本から、調査中に注意すべき「一筆」や「交際費チェック」までを網羅的に解説します。対応を間違えなければ、追徴課税や法的トラブルを避けることも十分に可能です。
税務調査が入るとどうなる?まず全体の流れを押さえよう
税務調査とは、税務署や国税局が「正しく申告されているか」を確認するために、事業者を対象に実施する調査のことです。
突然通知が届いたときにも慌てないよう、まずは全体の流れを理解しておきましょう。
Table of Contents
(1)税務調査の種類と実施される確率を知っておく
①任意調査と強制調査の違いとは
税務調査には大きく分けて2種類あります。
- 任意調査:通常の税務調査で、多くのケースはこちら。事前通知があり、日程調整もされます。
- 強制調査(査察):脱税の疑いが強い場合などに、令状をもとに突然行われる調査です(通称「マルサ」)。
中小企業や個人事業主の多くが経験するのは「任意調査」です。焦らず対応すれば、過度に怖がる必要はありません。
②法人・個人事業主の税務調査の確率(令和5年最新版)
国税庁のデータによると、近年の調査件数は以下のとおりです。
- 法人:全体の約2.3%
- 個人事業主:全体の約0.7%
決して高確率ではありませんが、「不自然な申告」「特定業種」「高額取引」などがあると調査対象になりやすくなります。
③調査が入りやすい業種・職種の傾向とは
以下のような業種は、現金商売や経費計上の曖昧さから調査の対象になりやすいとされています。
- 飲食店、美容室など現金取引の多い業種
- 不動産投資や経営コンサルタント
- 高収益のIT・フリーランス、副業(暗号資産・YouTubeなど)
(2)調査通知から実地調査当日までの流れ
①税務調査の通知はいつ来る?タイミングと事前連絡の実態
一般的な任意調査では、調査の2週間程前に「事前通知」が届きます。この通知では、調査日程・調査対象年度・担当官の氏名などが記載されており、内容に応じて準備が必要になります。
②税務調査は何日行われる?実地調査の所要時間とは
調査日数は、企業の規模や業種にもよります。
- 小規模事業者:1日〜2日程度
- 中小企業:2〜4日程度
- 特殊業種・過去の問題がある企業:1週間以上にわたることも
③反面調査とは?取引先にも連絡がいくリスク
税務署は、調査対象者だけでなく、その取引先に対して「反面調査」を行う場合があります。
特に請求書の金額・納品の実態などが不自然な場合は、「取引先への連絡」によって社外に調査が知られるケースもあります。
税務調査で確認されるポイント
税務調査では、帳簿や領収書を基に「申告内容に誤りがないか」「不自然な支出や取引がないか」が細かくチェックされます。
(1)帳簿・領収書・取引データの整合性があるか
調査官が最初に見るのは、帳簿・領収書・仕訳帳などの「数字の整合性」です。一つでも不自然な点があれば、その年度だけでなく過去数年分までさかのぼって調査されることがあります。
たとえば以下のようなケースは、非常に多く指摘されます。
- 帳簿に記載された売上が、預金口座の入金額と一致していない
- 在庫帳と実物の棚卸し数が大幅にズレている
- 売上除外(売上の未記載)があると、過少申告と判断される
このような場合、調査官は「意図的な操作=仮装隠蔽」とみなすことがあり、重加算税(35~40%)が課される恐れがあります。
毎月、預金通帳・売掛帳・レジ記録などの売上計上根拠を突合(照合)しておきましょう。
(2)経費の使い方が正しいか
経費でよく問題になるのは、「事業との関連性」です。以下のような支出が、税務調査ではしばしば否認対象になります。
事例 | 指摘される理由 |
代表者の家族との食事代 | 仕事との関係が証明できない |
高級ブランド品の購入 | 接待や営業用と説明しても私的使用と判断される |
出張と称した旅行代(家族同伴) | 実質が私的レジャーの場合、全額否認の可能性 |
出金伝票や交通費精算書にも、「目的」「対象者」「業務との関係」を明記しておくことが重要です。
(3)現金商売・副業・暗号資産取引の申告漏れがないか
以下のような取引は、特に厳しくチェックされます。
- 現金売上(レジ未記録など)
- 個人のスマホで副業した売上(BASE、メルカリなど)
- 暗号資産取引による収益(ビットコインなど)
現在、国税庁はネット銀行や暗号資産交換業者からの情報を自動収集しており、申告漏れがすぐに発覚します。
(4)接待交際費と福利厚生費の区別ができているか
交際費は「会社の経費として認められるかどうか」の境界が曖昧で、調査官も重点的に見てきます。特に、「交際費」と「福利厚生費」を混同しているケースでは、思わぬ税務リスクを生むことがあります。
費用を処理する際には、「誰が対象か」「全員に等しく提供されているか」が重要な判断基準になります。
項目 | 内容 | 税務上の扱い |
交際費 | 取引先への接待・贈答 | 損金算入に上限あり(年800万円まで※中小法人) |
福利厚生費 | 社員旅行・懇親会・社食 | 原則非課税、制限なし |
危険な例:
「従業員とその家族で温泉旅行」を福利厚生費で処理 → 実態が慰安ではなく私的と判断され、全額交際費または役員賞与として否認される恐れあり。
一筆を求められたら要注意!重加算税と法的リスクの回避法
税務調査の現場では、「修正申告書に署名してください」「一筆書いてもらえますか」といった“文書提出”を促される場面が少なくありません。
しかしこのような文書は、調査後の課税処分の根拠資料(証拠)として使われる可能性があるため、慎重な対応が不可欠です。
特に、「一筆」は重加算税(35〜40%)の賦課根拠とされることがあり、無防備に応じることで重大な納税リスクが発生します。
(1)税務調査で「一筆」や「修正申告の誘導」があった場合
①一筆を書かされると重加算税になるリスクがある
一筆とは、調査対象者が「自分の申告に誤りがあったことを認める」文書に署名をすることです。
以前は「申述書」(「しんじゅつしょ」「もうしのべしょ」)に、「令和◯年分の売上計上に誤りがあり、申告から除外していた収入があります。意図はありませんでしたが、今後は適正に申告します。」といったことを記載して提出することを求められましたが、現在は、「質問応答記録書」への署名を求められます。
「質問応答記録書」は調査官の質問と納税者の回答を証拠能力のある文書として残すための書類で、以下のような内容が含まれると、重加算税の対象となる可能性があります。
- 「納税者が申告漏れを認めている」
- 「意図的な除外=仮装隠蔽とみなせる」
②強制ではないが、拒否すると印象が悪くなることも
一筆や修正申告の提出は、任意調査の範囲で行われており、法的な義務はありません。しかし中には、次のような強い誘導が行われるケースもあります。
- 「署名してもらえないと話が前に進みません」
- 「ここに名前を書いてくれれば、あとは穏便に済みますから」
こういった発言は心理的な圧力であり、署名を促す誘導的手法です。内容が不明確な状態で応じてしまうと、不利な状況を自ら招くことになりかねません。
③弁護士・税理士の同席で過度な誘導を防げる
調査の現場に税理士や弁護士が同席している場合、調査官は法的に無理のある要求をしづらくなります。
たとえば、こうした形で、納税者を法的・心理的に守る壁となるのが専門家の役割です。
- 調査官が「一筆書いて」と言ってきた → 税理士が「後日、文書で回答します」と代弁
- 署名を求められた → 弁護士が「記載内容を確認した上で判断します」と制止
(2)一筆を拒否した場合の影響とその後の展開
①拒否しても調査が延長される程度のケースが多い
結論から言うと、一筆を断っても、そのこと自体による罰則や強制力はありません。
ただし、署名のない「質問応答記録書」では証拠能力が弱くなるため、調査官としては以下のような対応をとる可能性があります。
- 「記録が不十分なので、再度確認に来たい」=再訪
- 「上席と相談したい」=調査が長引く
- 「調査報告書に詳細を記載する」=追徴に備えた布石
いずれにしても、無理に応じる必要はないですが、きっぱりと断るのではなく、柔らかく保留にするのがコツです。
②署員による強要的な言動があれば記録・通報も視野に
一部の調査官が、過剰な言動や不適切な圧力をかけてくるケースも実際にあります。たとえば、こうした言動は職権乱用や違法調査に該当する恐れがあります。
- 「書かないと刑事事件になるかもしれませんよ」
- 「署名すれば追徴も軽くしてあげます」
調査中は録音しておき記録をもとに、税理士・弁護士に相談すると安心です。
税務調査に税理士や弁護士は必要?対応を間違えないために
専門家 | 主な対応範囲 | 相談タイミング |
税理士 | 帳簿説明・修正申告・税務交渉 | 調査開始前~調査終了後まで |
弁護士 | 調査官との法的交渉・強制調査対応・訴訟 | 強制調査・調査官の違法行為・重加算税の争い時 |
税務調査は、単に帳簿を見せるだけで終わるものではありません。調査官は、質問応答・文書確認・帳簿の根拠の精査など、高度な専門知識と判断力を要するやり取りを行ってきます。
こうした場面で誤った対応をすると、「本来課される必要のなかった税金」や「高額な重加算税」が発生するリスクがあります。
そのため、税理士・弁護士といった専門家の同席や関与は、調査リスクの軽減に非常に効果的です。
(1)税理士が同席するメリットと注意点
①帳簿の説明・根拠提示をプロが代行してくれる
調査官は、帳簿の記載ミスや矛盾を見つけると、次々と質問を投げかけてきます。
例
- 「この仕入の裏付け書類はどこですか?」
- 「この経費は業務とどう関係しているのですか?」
- 「この取引の実態はありますか?」
このような質問に対して、経理担当者が適切に即答できるとは限りません。しかし、税務に精通した税理士がいれば、帳簿の構造・税務判断の根拠・取引の背景を迅速かつ正確に説明できます。
②税理士によって調査官の態度が変わることも
調査官は相手によって対応の深度や圧力のかけ方を変えることがあります。特に、国税OBや調査経験が豊富な税理士が同席している場合、次のような変化が起こることがあります。
- 「不要な質問が減る」
- 「法律や税務通達に基づく説明が通じやすくなる」
- 「ムリな誘導や圧力が軽減される」
これは、調査官が「法的反論をされる可能性」や「監督者への報告の必要性」を意識するためです。
③立ち会い費用の目安と必要性の見極め方
税務調査における税理士の立ち会いには、別途費用がかかるのが一般的です。
調査形態 | 同席費用の目安 |
半日〜1日の軽度な調査 | 10万円〜20万円程度 |
2日以上にわたる本格調査 | 15万〜40万円前後 |
調査後の修正申告・異議申立て対応まで含む | 30万円以上(ケースに応じて) |
費用よりも重要なのは「損失防止効果」です。追徴税額が数十万円〜数百万円に及ぶこともある中で、専門家の立ち会い費用は“保険”として非常に合理的な選択になります。
(2)弁護士に相談すべきケースとは?
税理士が対応できるのは「申告の内容」や「帳簿の整合性」に関する範囲です。
しかし、調査がより法的な問題(強制調査・刑事責任・調査官の違法行為など)に発展した場合は、税理士の権限を超えるため、弁護士の関与が必要になります。
①強制調査・刑事告発リスクがある場合
脱税の疑いが強いと判断された場合、調査は「任意」から「強制」へと性質が変わります。この際には、国税局の査察部が裁判所の令状を取得して、自宅や事務所に立ち入り、証拠を押収することもあります(マルサの調査)。
この段階では、税理士は同行できません。弁護士のみが、強制捜査への立ち合いや刑事弁護活動を行うことができます。
②調査官の違法な対応が見られる場合
たとえば以下のようなケースでは、調査官の行為そのものが違法となる可能性があります。
- 一筆や署名を強要する
- 大声や威圧的な言動で心理的圧力をかける
- 無許可でパソコンや金庫を開けようとする
このような事態に直面した場合は、記録を取り、弁護士を通じて抗議・是正を求めることが有効です。また、必要に応じて、上級機関(国税不服審判所や裁判所)への申立ても視野に入ります。
③重加算税・修正申告に納得できない場合
調査結果に対して、「本当に仮装・隠蔽だったのか?」「申告ミスとされているが事実と違う」といった争点がある場合、異議申立て・不服審査請求・税務訴訟といった手続きに発展する可能性があります。
この場合は、法的な反論文書の作成・提出、調査経過の証明、裁判所対応などが必要となり、弁護士の法的支援が不可欠です。
税務調査のリスクを最小限にするために今からできる準備
税務調査は、いざ通知が来てから準備するのでは遅すぎる場合があります。重要なのは、“調査が来ても慌てない状態”を平常時から作っておくことです。
この章では、事前にできる備えとして「帳簿・社内体制の整備」と「専門家の活用」について解説します。
(1)税務調査を見越した帳簿の整備と社内体制の強化
①税務調査チェックリストで自社の状況を把握
まずは、自社が税務調査にどう対応できるかを可視化することが大切です。以下は基本的なチェックリストの一例です。
税務調査対応セルフチェックリスト
項目 | チェック内容 | 状態 |
帳簿管理 | 会計ソフトと現金出納帳の整合性は取れているか? | □ できている / □ あやしい |
売上計上 | 売上と入金記録が正しく一致しているか? | □ 一致 / □ 差異あり |
領収書 | 支出ごとに領収書が整理されているか? | □ 保管済 / □ 散逸 |
経費精算 | 経費の使途・対象・目的が記録されているか? | □ 明記 / □ 不明瞭 |
稟議書 | 高額経費・贈答費に社内承認の記録があるか? | □ あり / □ なし |
書類保存 | 契約書・請求書・納品書を一定期間保管しているか? | □ あり / □ 不足気味 |
経理担当だけでなく、社長や部門長もこのチェックリストを把握しておくと、調査時に対応のスピードが上がります。
②会計ソフト・レシート管理のデジタル化
帳簿や領収書を紙で管理している企業も少なくありませんが、デジタル化は調査対応を大幅に楽にします。
- 【会計ソフト】freee、マネーフォワード、弥生会計などのクラウド型がおすすめ
- 【レシート読取アプリ】スマホで自動読取し、仕訳・領収書管理も可能
- 【電子帳簿保存法への対応】税務調査の信頼度が上がる、紙書類の省略可
電子帳簿保存法(改正対応済)に準拠していれば、「いつ」「誰が」「何に使ったか」が明確化され、調査官の心証が良くなります。
③日常からの経費管理ルールの見直し
経費処理に関する“社内ルールの明文化と徹底”は非常に重要です。
よくあるトラブル例
- 社員が個人のカードで立て替え → 明細・領収が不十分で否認対象に
- 支出の目的が不明瞭 → 「事業関連性が不明」として経費扱い否認
- 社長の交際費がプライベート混在 → 一部が役員賞与扱いに(損金否認)
改善ポイント
- 経費精算時に「日付・相手先・目的」を必須記入とする
- 出張・贈答・交際の社内申請ルールを作る
- 全社員向けに簡単な経費処理マニュアルを配布
(2)弁護士・税理士による事前診断サービスを活用しよう
①事前レビューで調査対象の発見と改善ができる
「調査が来てから慌てる」のではなく、来る前に“調査官目線”で自社をチェックすることが理想です。
保田会計事務所では、“税務リスク診断”を実施しています。
主なレビュー内容
- 過去3年分の申告内容の整合性確認
- 売上・原価・交際費の比率分析
- 調査で指摘されやすい論点の洗い出し
- 必要に応じて帳簿の再構成や説明資料の整備
②過去に税務調査対応経験のある専門家を選ぶべき理由
税務調査では、形式的な知識以上に“調査官の本音や戦略”を理解しているかどうかが重要です。経験豊富な税理士は、次のような“兆候”に気づけます。
- 書類の確認順から、調査官が注目している論点を予測
- 一見些細な質問の裏にある「否認準備」の意図を察知
- 一筆・署名を求める背景にある重加算税の布石を把握
③調査後も安心できるフォロー体制がある事務所を選ぼう
税務調査は、調査当日だけで終わるものではありません。終了後の対応が、将来の税務リスクに大きく影響します。
必要なアフターフォロー
- 修正申告書・更正の請求書の作成
- 追徴内容に納得できない場合の異議申立て支援
- 今後の体制改善(帳簿・経費ルール)サポート
- 類似トラブルを未然に防ぐ「予防会計」アドバイス
保田会計事務所では、税務調査→交渉→終結→再発防止まで一気通貫の支援をご提供しています。
まとめ
税務調査は、準備不足や誤解によって余計な追徴課税を受けるリスクがあります。ですが、今回ご紹介したように事前に知識を備え、信頼できる専門家と連携することで、調査をスムーズに乗り切ることが可能です。
保田会計事務所では、国税OB税理士を中心としたチームが、調査対応から事後支援までを一貫して行っています。
お困りの際はぜひお問い合わせください。